国連の気候変動緩和キャンペーン「Race to Zero」は3月29日、同キャンペーンに加盟している大手企業500社の進捗状況をモニタリングするツール「Data Explorer」をリリースした。
Race to Zeroは2022年6月、加盟基準を大幅に厳格化。今回のモニタリングは引き上げられた基準でパフォーマンスを評価している。測定指標は、スコープ3を含めたカーボンニュートラル達成目標年、総量削減目標もしくは原単位削減目標。
【参考】【国際】気候変動Race to Zero、加盟基準を大幅厳格化。加盟日本企業86社にも大きな影響(2022年6月16日)
日本企業の対象は、味の素、アサヒグループホールディングス、アシックス、アスクル、大和ハウス工業、ファーストリテイリング、日立製作所、花王、キリンホールディングス、前田建設工業、明治ホールディングス、三菱地所、NEC(日本電気)、ニコン、野村総合研究所、NTTデータ、小野薬品工業、パナソニック・ホールディングス、ルネサスエレクトロニクス、リコー、セコム、積水ハウス、ソニーグループ、住友林業、サントリー食品インターナショナル、サントリーホールディングス、武田薬品工業、竹中工務店、帝人、東急不動産ホールディングス、YKK。
同ツールは、米ロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザーズ(RPA)の運営キャンペーン「Climate Arc」が開発。データの出所は基本的にはCDPだが、一部の日本企業に関しては、気候変動イニシアチブ(JCI)が提供しているデータが情報源となっている。
今回の結果では、500社のうちカーボンニュートラル達成時期を設定している企業が9割を超えた。具体的なカーボンニュートラル計画を発表しているところが3分の2。また393社が過去の排出量データを公表していた。2030年までの総量削減目標を設定している企業は7割以上だった。
一方、スコープ3では開示にばらつきが大きかった。Race to Zeroは2023年、Race to Zeroの全加盟企業にCDP気候変動の質問票を送付し、回答を促す。予定。先進企業ではユニリーバとエリクソンを挙げた。
Race to Zeroに加盟している中小企業向けには、別途、CDPとSME Climate Hubが合同で2021年に開示フレームワークを策定済み。CDPで中小企業向けの設問票がすでに発行されている。
また、国連の気候変動適応キャペーン「Race to Resilience(RtR)」は3月24日、新たなツール「RtR Data Explorer」をリリースした。こちらは同キャンペーンに参加している非国家主体からの報告に基づき、災害、地域、国を選択して、展開されている活動の状況を閲覧することができる。
同ツールでは、定量パフォーマンスとして受益者数を「マグニチュード・アプローチ」、定性パフォーマンスとしてのインパクトの深さを示す「深度アプローチ」を採用。情報を整理した。
マグニチュード・アプローチとは、定量的な結果を指すもので、主に到達した受益者の数を見ることで、レジリエンス構築イニシアチブの影響の大きさ(自然
【参照ページ】Race to Zero campaign launches new tool to enhance transparency of net zero commitments
【参照ページ】SMEs equipped to join race to net-zero with dedicated climate disclosure framework
【参照ページ】Race to Resilience launches improved tool for reporting actions and measuring impacts
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