年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4月14日、既採用のESGインデックスに関する運用改善策を発表した。GPIFは、運用パフォーマンスを高めるため、インデックス開発会社とのエンゲージントも積極的に実施している。
今回の発表では、2017年に選定した「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」と、2018年に選定した「S&Pカーボンエフィシェント指数シリーズ」の2つについて、構成銘柄や構成ウエイトを修正することを決めた。
【参考】【日本】GPIF、日本株ESGインデックスを3つ選定。ESG総合型で2つ、社会テーマで1つ(2017年7月3日)
【参考】【日本】GPIF、環境型ESG株式インデックス選定発表。二酸化炭素排出量を考慮。運用額1.2兆円(2018年9月25日)
MSCI日本株女性活躍指数(WIN指数)に関しては、現在、パフォーマンスにポジティブに貢献しているものの、クオリティスコアによるウエイト調整が主因となり、パフォーマンスが悪化傾向にあった。クオリティスコアは、ROE、負債比率、利益変動性から算出されるスコアで、ダイバーシティの評価とは直接的な関係はない。そこで今回、クオリティスコアをウエイト調整のファクターから除外し、「時価総額加重ウェイト×性別多様性スコア」でウエイトを決定することとなった。MSCIは、パブリックコメントの募集も行った上で、正式に同指数の算定ロジックを変更した。GPFIの適用は2023年5月開始となる。
S&Pカーボンエフィシェント指数シリーズでは、発行体の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)開示の状況を評価に反映することが決定。二酸化炭素排出量を開示のみでスコアが高くなったが、今回の変更で、TCFD開示をしていなければ、スコアが上がりづらい評価手法となる。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスも、パブリックコメントの募集も行った上で、正式に同指数の算定ロジックを変更した。GPFIの適用は2023年6月開始となる。こちらの変更は、パフォーマンス起因ではなく、東証プライム市場上場企業に対しては、コーポレートガバナンス・コードでTCFD開示が盛り込まれたことを受けたもの。
【参照ページ】ESG株式パッシブ運用の改善に向けた取り組み
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