金融庁は3月24日、有価証券報告書に関する「記述情報の開示の好事例集」を更新。新たな好事例を盛り込んだ。金融庁は2019年から「記述情報の開示の好事例集」を公表している。
【参考】【日本】金融庁、有報の「記述情報の開示の好事例集」を更新。形式的から実質的な記述へ(2019年12月23日)
【参考】【日本】金融庁、有価証券報告書の「記述情報の開示に関する原則」策定。好事例集も公表(2019年3月22日)
金融庁は1月、「サステナビリティ情報」と有価証券報告書の主要項目である「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「事業等のリスク」「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」に関する開示の好事例を取りまとめ、「記述情報の開示の好事例集2022」を公表。早速今回、「コーポレート・ガバナンスの概要」「監査の状況」「役員の報酬等」「株式の保有状況」に関する開示の好事例を追加した。
今回の更新では、各項目の好事例の他に、「開示の充実化が進展している企業の事例」として、丸井グループ、NTTデータ、三井物産、カゴメ、コニカミノルタ、J.フロントリテイリング、オムロン、味の素、三菱商事、リコー、武田薬品工業、日本瓦斯を紹介。一方、充実化が進んでいない企業の特徴として、全体的に一般的な記載が多く、経営方針等が中長期的に企業価値向上にどのように結びつくのかが不明瞭という点や、主要なリスクについて、どのように重要性を判断したのか、経営環境についての経営者の認識、影響度等について、具体的な記載がない点を挙げた。
全体傾向として、「事業の状況」と「コーポレート・ガバナンスの状況等」に関する記載文字が、東証プライム市場平均で37%、スタンダード市場平均で31%、グロース市場平均で20%増加。「事業等のリスク」に関する記載文字が、東証プライム市場平均で62%、スタンダード市場平均で45%、グロース市場平均で8%増加。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に関する開示をしている企業は、プライム市場で37%、スタンダード市場で1%、グロー市場で1%だった。
金融庁は今回、2023年度の有価証券報告書レビューの審査内容についても公表。「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」を重点テーマに設定。審査の結果、有価証券報告書に適切ではないと考えられる記載内容等が見つかった場合には訂正又は次年度の有価証券報告書での改善を求める通知等を行う。
【参照ページ】「記述情報の開示の好事例集2022」の更新
【参照ページ】「記述情報の開示の好事例集2022」の公表
【参照ページ】「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について
【参照ページ】有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項及び有価証券報告書レビューの実施について(令和5年度)
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