国際的なカーボンオフセット基準管理団体米Verraは10月31日、小規模な森林所有者向けのカーボンクレジット創出手法案を初めて発表した。11月29日までパブリックコメントを募集する。森林マネジメントではクレジット創出は5,000エーカー以上の大規模森林のみで実質可能だったが、30エーカー以上の小規模森林でも可能となった。
今回の手法は、全米森林基金とザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)が数年をかけて開発。米カーボンオフセット・アドバイザリーTerraCarbonが開発に協力した。世界中の森林で公式的に活用できる。対象は森林クレジットの中でも「改善された森林管理(IFM)」でのクレジット。
従来の手法では、クレジット創出のためのプロジェクト評価コストが課題で、実質的に小規模森林ではクレジット創出は難しかった。一方で、米国の森林でのクレジット創出のポテンシャルは、小規模森林が61%を占めると推定されている。
そこで今回開発した手法では、ベースラインの設定において、従来型の「プロジェクテッド・ベースライン(予測ベースライン)」ではなく、「ダイナミック・ベースライン」の概念を初めて採用。プロジェクト・ベースラインでは、クレジット創出対象の森林での将来予測が必要だったが、ダイナミック・ベースラインでは、近隣の森林もしくは類似度の高い森林でのシミュレーションから、プロジェクトで保護された場合とそうでない場合を比較することでベースラインを設定してもよいことにした。背景には、シミュレーション技術が発達し、実用レベルに達したとの判断がある。
【参照ページ】Verra Accepts The First Carbon Accounting Methodology For Forest Management
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