風力発電国際業界団体の世界風力会議(GWEC)は6月29日、洋上風力発電に関する最新レポート「Global Offshore Wind Report 2022」を発行した。過去1年間で、洋上風力発電の設備容量が21.1GW増加し56GWにまで増えていた。
世界では現在、洋上風力発電23GWの建設プロジェクトがすでに進んでいる。そのうち欧州が49.5%を占め、次いでアジア(46.4%)、米国(4.1%)の順。アジアでは、台湾が2.1GWでリード。韓国も増えており、ようやく日本にも言及されてきた。
将来予測では、GWECは今回、各国政府で洋上風力発電に対する熱が高まっているとし上昇修正。2022年から2030年までの新規設備容量見通しを、2021年版のレポートから45.3GW分上乗せし260GWとした。上方修正割合は16.7%にも上る。これにより、2030年の設備容量は316GWという計算となる。年間新規設備容量では、2021年の21.1GWから、2031年には54.9GWへと2倍以上になり、風力発電設備容量に占める洋上風力発電の割合も2021年の23%から2031年には30%にまで増えるとした。
地域別の傾向では、洋上風力発電の大半を占めていた英国を始めとる欧州に代わり、2022年末までにはアジアが世界最大の洋上風力発電市場になると予測。特に中国が市場を牽引する。欧州がアジアを再び抜くのは2031年以降とした。
同レポートは、ロシアのウクライナ戦争で、各国政府は洋上風力発電の目標をさらに引き上げていると強調。GWECと国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が洋上風力発電の目標を2030年までに380GWとしているの対し、各国政府の目標は2031年までに370GWまで上がってくると観測した。それに向け、政府、企業、その他のステークホルダーが実現に向け団結すべきとした。
浮体式洋上風力発電でも、実証段階から商用フェーズに入り、2021年には新規設備容量が57MW。世界全体の設備容量は121.4MWとなった。各国政府が、浮体式洋上風力発電の政策目標を引き上げたことで、すでにパイプラインは120GWにまで達したと言及。2030年の見通しを昨年レポートから14%引き上げ、18.9GWとした。地域別では、欧州が11GW、アジアが5.5GW、残りが北米。
【参照ページ】Offshore wind industry enjoys best-ever year with 21.1 GW of installations and prepares for “new era of growth”
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