飲料世界大手デンマークのカールスバーグは6月22日、紙製容器で初の消費者向け実証導入を開始したと発表した。実証規模としては史上最大。同容器は植物由来で100%リサイクル可能。リジェネラティブ農業や有機栽培で生産した大麦で醸造したビール等に使用する。
今回の実証では、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、イギリス、ポーランド、ドイツ、フランスの8カ国で紙製容器8,000本を投入予定。消費者の手に渡るのは初となる。
紙製ボトルでは、紙製ボトル開発Pabocoと協働。外殻に持続可能な方法で調達した木材繊維を活用することで、缶やガラス瓶比で高い断熱性を実現した
【参考】【国際】Paboco、紙製ボトルキャップの開発にも成功。2023年から商業販売を計画(2022年4月5日)
【参考】【国際】紙製液体ボトル開発合弁企業Paboco設立。カールスバーグ、コカ・コーラ、ロレアルと協働(2019年10月15日)
さらに容器の内側層素材では、オランダ化学大手アバンティウム開発の植物由来ポリエチレン・フラノエート(PEF)を使用。ビールと紙との間のバリアとして機能する他、従来型の化石燃料由来PETと比べ、ビールの味と発泡性の保護性能も高い。同PEFはリサイクルでき、生分解性のため国外で廃棄された場合も自然界で分解可能という。
【参考】【国際】カールスバーグ、バイオ由来PEF開発でアバンティウムと協働。PEFerenceコンソーシアムに参画(2021年3月30日)
同容器は、ボトルキャップ含め100%リサイクル可能。製品ライフサイクルアセスメントでも、使い捨てのガラス瓶比で優れた結果を得た。ガラス瓶比で二酸化炭素排出量80%削減を目標に設定した。最終的には、回収・再利用を経た製品ライフサイクルでの二酸化炭素排出量を、詰め方用ガラス瓶と同水準まで引き上げることを目指す。
充填するビールでは、大麦麦芽サプライヤー仏Souffletと協働し、有機農法またはリジェネラティブ農業100%で栽培した大麦を調達。有機栽培の大麦畑で被覆作物を栽培し、リジェネラティブ農業の効能を高めることに成功したという。
カールスバーグは今後、Pabocoとアバンティウム等との協働を継続し、2023年までにボトルキャップでも紙製への転換を目指す。
【参照ページ】Carlsberg makes bio-based and fully recyclable bottles available to consumers in its largest ever trial
【画像】Carlsberg
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