EU加盟国の常駐代表委員会(COREPER)は12月22日、欧州横断エネルギーネットワーク(TEN-E)規則の改正に関する政治合意を支持した。TEN-Eは、EUグリーンディール戦略を実現するために、EU規模での共通エネルギーインフラを確立する上での重要政策。
TEN-Eの改正については、2020年12月に欧州委員会がTEN-Eの改訂に関する提案を発表。インフラ開発と相互接続のための11の優先網と3つの優先テーマ分野を特定している。EU理事会は6月11日に大枠に合意し、EU理事会議長国と欧州議会の交渉担当者は、12月15日に欧州委員会を含めた形で3者での政治的合意に達した。今回、COREPERからも支持を得たことで、今後、EU理事会と欧州議会での公式審議に入る。
今回の改訂では、インフラのカーボンニュートラル化に重点が置かれており、新たにオフショア電力網、水素インフラ、スマートグリッドに対し、2021年から2027年までの政策融資予算「Connecting Europe Facility」の多くを割く考え。
具体的には、天然ガス及び石油の新規プロジェクトへの支援を終了した上で、全てのプロジェクトに義務的なサステナビリティ基準を導入。また、2029年12月31日までを暫定期間とし、天然ガスを改質したグレー水素を、事前に規定された水素と天然ガス、あるいはバイオメタンガスとの混合を認めるが、2027年12月31日からEUからの資金援助は停止される。
さらに、欧州横断ガスネットワークにまだ相互接続されていないキプロスとマルタに関しては、欧州横断ガスネットワークへの恒久的な相互接続を確保するために必要なプロジェクトを支援する。
水素インフラ整備では、50MW規模以上の電気分解装置もTEN-Eの計画の対象とするものの、融資対象とはしない。また再生可能エネルギー資源の役割は最重要視する。
他には、詐欺、腐敗、犯罪組織に関連する行為等、個人または団体がEUの資金調達の対象から除外されることを明記する。
【参照ページ】TEN-E: Council and Parliament reach provisional agreement on new rules for cross-border energy projects
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