ファーストフード世界大手米マクドナルドは2月18日、2021年からエグゼクティブ・ヴァイスプレジデントのインセンティブ報酬KPIに、インクルージョンに関する人材管理指標を組み入れると発表した。女性や過小評価されているマイノリティの管理職の強化等、同社の企業文化を体現できているかを測定する。
具体的には、2025年末までに、米国事業でシニアディレクター以上の過小評価されているマイノリティの割合を29%から35%まで向上する。さらに同年までに、世界全体でシニアディレクター以上の女性割合を37%から45%まで引き上げると明言した。
今回のアクションは、2023年までに女性管理職の増強と、キャリア上のジェンダー平等を推進する同社の2019年ジェンダー戦略の一環。2030年末までには、世界全体でシニア・ディレクター以上の「ジェンダー・パリティ」実現を目標としている。ジェンダー・パリティとは、「特定分野における男女平等」のこと。
目標設定と現状理解では、国勢調査の人材可用性統計、従業員100名以上の企業に作成が法定義務化されている人種構成レポート「EEO-1」のデータ、消費者インサイト、顧客トレンド、今後10年間の人口動態等、内外のデータを活用。同社経営層は、チーフ・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン・オフィサー(CDEIO)等と協働し、アクションプランを策定した。
同社は、企業内外のダイバーシティグループへのアクティブエンゲージメントや、独自設計のインクルージョンインデックスに基づく感情分析を実施。インクルーシブな企業文化に重要な要素を測定する。測定では、6ヵ月ごとにグローバルの従業員に対する調査を行い、進捗状況や改善点を特定する。
また、若手の女性・過小評価マイノリティとの関係性強化のため、メンター制度を導入。すべての執行役員ポジションの候補に、多様性を設ける。サプライヤーやフランチャイズ店舗との関係性においても、インクルージョン方針を適用する。
さらに同社は2月17日、リサイクル製品の活用についても声明を発表。イスラエル素材化学スタートアップUBQマテリアルズと協働し、熱可塑性の再生バイオプラスチックを活用したトレイへの転換を進める。まずは、マクドナルドのフランチャイズ運営最大手中南米アルコス・ドラドスが運営するブラジルのマクドナルド20店舗へ新型トレイ7,000個を導入する。
通常のリサイクルでは、ガラス、紙、プラスチック等を分別せず、まとめてリサイクルすると、素材の劣化により、再利用が困難となる場合が多い。しかしUBQマテリアルズの技術では、食品やプラスチック等を含む家庭ごみをまとめてリサイクルしても、熱可塑性の再生バイオプラスチックを製造することが可能。
アルコス・ドラドスは、2018年以降、プラスチック削減プログラムを実施。同社店舗からの使い捨てプラスチックを合計1.3t削減してきた。今後は、UBQ素材のトレイ1.1万個をブラジル全土の店舗に段階的に拡大予定。物流やサプライチェーン、製造からの二酸化炭素排出量削減に向け、バージンプラスチック削減を継続する。
【参照ページ】Allyship through Accountability
【参照ページ】McDonald's Brazil is serving up sustainable food trays made from waste
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