食品原料米EverGrain Ingredientsは1月7日、飲料世界大手ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)からの支援を受け、醸造後の大麦の残りカスを資源として活用した食品・飲料用添加物「EverPro」と「EverVita」を販売していくと発表した。
EverGrain Ingredientsは、大麦の資源を最大限活用するためのソリューション開発企業として2020年設立。ビール醸造では、製造過程で大量の大麦の残りカスが廃棄になっており、醸造所の廃棄物の85%を占めるとの報告もある。ABインベブは、こうした大麦廃棄物の大量排出を課題視し、EverGrain Ingredientsとの協働を始めた。
今回発表のEverProは、完全に溶解するたんぱく質分離物。現在、飲料、プロテインバー、スナック等の植物由来たんぱく質製品に成分として配合されている。一方、EverVitaは、糖質を極限まで減らした大麦の繊維質とたんぱく質成分で構成される商品。味や食感に影響を与えることなく、焼き菓子、パスタ、スナックの栄養価を高め、腸の健康にも寄与できる。
植物由来食品は、世界の食品業界で最も急速に成長しているカテゴリーの一つ。健康・栄養関連調査HealthFocus International(HFI)の2019年レポートによると、世界の消費者の4分の1が、植物由来食品・飲料が食事においてより重要になると考え、植物由来の商品にはより多くの金額を払っても良いと回答しているとの調査もある。
今回発表の原料は現在、EverProの麦芽乳製品「TakeTwo」等で実際に使用されている。2021年第1四半期には、欧米で販売予定の製品にも活用されるという。同社は、世界に健康な栄養素を届けていくため、大麦を必須原材料として扱っていくための幅広いパートナーを模索している。これにより、栄養不足の人たちにも、環境負荷を下げながら、手頃な価格で栄養価の高い製品を提供していくという。
【参照ページ】EverGrain Introduces Sustainable and Innovative, Plant-Based Barley Ingredients
【参照ページ】EverGrain Introduces Sustainable and Innovative, Plant-Based Barley Ingredients
【画像】AB InBev
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