経済協力開発機構(OECD)は4月16日、新型コロナウイルス・パンデミックに関し、政府と企業に対し、OECD多国籍企業行動指針(OECD多国籍企業ガイドライン)の補足文書である「責任ある企業行動に関するOECDデューデリジェンス・ガイダンス(OECD Due Diligence Guidance for Responsible Business Conduct)」に基づくアクションを促した。
【参考】【国際】OECD、責任ある企業行動に関するOECDデューデリジェンス・ガイダンス採択。48カ国参加(2018年6月7日)
OECD多国籍企業行動指針は、情報開示、人権、雇用及び労使関係、環境、腐敗防止の防止、消費者利益、科学及び技術、公正な競争、納税等幅広い分野の企業行動に関する原則を定めている。2011年の改訂時には、自社またはサプライチェーン上で発生する潜在的な悪影響を特定し、リスクに基づくデュー・デリジェンスを実施すべき等の規定が新たに追加され、具体的なデューデリジェンス・プロセスの策定が進められていた。同ガイダンスが、その成果物に当たる。
今回、企業に対しては、従業員と地域社会との対話・エンゲージメントの強化、短期的な脅威に対応するための環境、健康、安全衛生措置の実施、サプライチェーンへの支援の継続、災害や事業継続に関するガバナンスの強化等が、責任ある企業行動に関する(RBC)に該当するとし、アクションを促した。
一方、政府に対しては、負のインパクトを避けるためのRBC基準に準拠した緊急支援ファンドの設置、長期的な経済、社会、環境価値につながるような企業への経済支援、サプライチェーンのESGリスク特定のためのフレームワークとしてRBC基準の活用、公共調達を通じたRBC基準の促進、救済措置の運営を実施すべきとした。
国際NGOのOECD Watchは4月9日、経済協力開発機構(OECD)加盟国と、OECDで「OECD多国籍企業行動指針」の浸透を担当している作業部会「Working Party on Responsible Business Conduct(WPRBC)」に対し、新型コロナウイルス・パンデミックの中、OECD多国籍企業行動指針の遵守を企業に求めるよう要求していた。
【参考】【国際】OECD Watch、新型コロナで、政府と企業にOECD多国籍企業行動指針の遵守要求(2020年4月16日)
【参照ページ】COVID-19 and Responsible Business Conduct
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