世界経済フォーラム(WEF)は1月15日、海洋プラスチックごみ排出源ワースト5位内に入るベトナムの現状を課題視し、同国がプラスチック廃棄ゼロの都市を構築するための方向性を示した。
同国におけるプラスチックリサイクル産業は、成長市場。しかし、最近まで同国におけるプラスチックのマテリアルリサイクルは、中国からの輸入ごみを原料としていた。同国政府は近年、2021年までに都市部の小売や市場における使い捨てプラスチックを禁止し、2025年までに全土で禁止にする方針を表明。現在、同国は自国で排出された廃棄物の管理が必要となるが、依然、同国で回収されたごみのうち、再利用やリサイクルされるものは10から15%程度。多くはごみ捨て場や焼却施設に送られている。
現地調査によると、多くの地域コミュニティでは通常の廃棄物回収サービスが提供されておらず、焼却や投棄が発生。同国ごみ問題の改善の妨げとなっており、ひいては国際的な海洋プラスチックごみに繋がっていると分析した。
こうした状況を受け、ムハンマド・ユヌス氏が創設したグラミン・グループのソーシャルビジネス・インキュベーション組織グラミン・クリエイティブ・ラボと、廃棄プラスチック撲滅アライアンスThe Alliance to End Plastic Waste(AEPW)は、プロジェクト「Zero Plastic Waste City」 を開始。川や海への近接性、大量の固形廃棄物の漏出等の要因に基づき、プロジェクト実施地域を特定し、戦略的な都市廃棄物の分別、収集、リサイクルの仕組みづくりに取り組んだ。
同プロジェクトでは、同国南部メコンデルタにおいて、政府に代わりインフォーマルセクターが廃棄物回収、リサイクルを行っていることが明らかになった。一方、インフォーマルセクターのサービスは、廃棄物リサイクル後の二次材料の収益見込みが低い場合、回収率およびリサイクル率が低下する点も指摘。正規雇用や安定賃金の確保が必要だと分析した。
【参照ページ】Viet Nam is creating its first zero plastic waste city. Here's how
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