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【国際】再生可能エネルギー関連の雇用者数、全世界で1100万人と記録的伸び。太陽光が最多

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は6月11日、2018年の再生可能エネルギー関連の雇用創出に関するレポート「Renewable Energy and Jobs: Annual Review 2019」を発表した。中国、米国等では経済成長が鈍化しているにも拘わらず、多くの国で再生可能エネルギーの生産、販売、設置を進められている。特に、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム等では再生可能エネルギーに関わる雇用の成長率が高く、アジア全域で世界中の雇用者数の60%を占めていることがわかった。

 雇用者数全体の推移を見ると、IRENAが統計を取り始めた2012年の728万人から2015年にかけては1,004万人へと大幅な拡大が見られ、2018年には1,098万人となった。分野別では、太陽光発電が2012年に136万人、2015年に277万人、2018年に361万人、バイオエネルギーが同240万人、同288万人、同318万人。さらに水力発電でも各々、166万人、216万人、205万人。風力発電も各々、75万人、108万人、116万人。太陽熱冷暖房は、89万人、94万人、80万人へと推移した。太陽光発電関連の雇用の伸びが際立っている。

 2017年から2018年の国・地域別データによると、首位の中国での雇用者数は408万人で、世界全体の再エネ雇用の39%を占めている。最多は太陽光発電分野の219万人。続くEUは124万人で、このうちドイツが29万人。最多は固体バイオマスの39万人となっている。3位のブラジルは113万人で、最多は液体バイオ燃料の83万人で、同国の再エネ雇用者全体の74%を占めている。4位の米国は86万人で、最多は31万人を擁する液体バイオ燃料。5位のインドは72万人で、最多は水力発電の35万人。

 日本の雇用者数は27万人で、このうち25万人が太陽光発電分野だという。太陽光発電に限定すると、中国、日本、米国、バングラディッシュ、インド、マレーシア、トルコ、ドイツ、ベトナム、台湾がトップ10で、この国々における雇用者数が世界の84%に相当している。アジアでは各地域をベースにしたオフグリッド太陽光発電の伸展も著しい。
 
 再エネ雇用に関しては、IRENAが1月に発表したジェンダー関連のデータからも特徴が読み取れる。科学、技術、工学、数学をバックグラウンドとして、理系の職種に就いている女性が28%、理系以外の技術職が35%、管理業務が45%で、これら以外の職種も含む平均では、女性が雇用者全体の32%を占めている。既存の石油・ガス関連業界の平均である22%を上回っており、女性の活躍が目立つ。

 IRENAは、2050年には2900万人分の雇用が創出されると見積もっており、再エネ分野への女性の進出がカギとなるという。インドのベアフット大学では太陽光発電の関連技術を教え、「ソーラーママ」として活躍するような女性たちを増やして行く取り組みを実施している。

【参照ページ】11 Million People Employed in Renewable Energy Worldwide in 2018
【参照ページ】Renewable energy: A Gender perspective

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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