トヨタ自動車は6月7日、電気自動車(EV)に関するメディア説明会を実施。2030年の新車販売においてハイブリッド車(HV)とプラグイン・ハイブリッド車(PHV)で世界450万台以上、EVと燃料電池自動車(FCV)で100万台以上、合計で電動車を550万台以上とするという目標を2017年に発表していたが、5年前倒しで2025年頃に同目標を達成できそうなペースになっていることを明らかにした。
トヨタ自動車は、新車から排出される走行時の二酸化炭素排出量を、2050年までに2010年比90%削減するという長期目標を掲げている。電動車の推進はその一環。加えて、「世界各地で、CO2排出量削減に向けて、電動車両への期待が高まってい」るとし、対応をさらに急ぐ必要があると見方を示した。
今後の世界市場攻略に向けては、2018年の世界でのEV販売台数約120万台のうち、半数以上71万台が中国で、米国、ノルウェー、ドイツ、フランスと続き、日本は非常に少ないという現状を確認。2019年月の上海モーターショーで、中国で本格投入するEV車種を発表したことを伝えた。また、中国、米国、欧州等のEV需要の高い市場に向け、普及型の車種開発を進めていることを明かし、2020年以降にはグローバルで10車種以上を投入するとした。
電池調達では、トヨタ自動車とパナソニックが1996年に合弁設立したプライムアースEVエナジー(PEVE)や、パナソニックとの新たな合弁会社設立計画とともに、中国のCATL(寧徳時代新能源科技)とBYD(比亜迪)、日本のGSユアサ、東芝、豊田自動織機とも協業していくことを発表した。特に、CATLは、車載用リチウムイオン電池の世界市場で、2017年にパナソニックを抜き、シェア17%で世界首位となっている。トヨタ自動車は、CATLと「戦略的パートナーシップ」の覚書を交わし、協業の具体的な検討に入る模様。
日本市場に向けては、小型EVで需要があるとし、2人乗り用の超小型EVや立ち乗りタイプの歩行領域EVを2020年に販売開始。座り乗りタイプと車椅子連結タイプの歩行領域EVも2021年に上市する考え。さらに2輪車サイズの超小型EV「i-ROAD」でも開発を進めているとした。
世界的にEV市場が急増する中、トヨタ自動車は需要の多い国を攻略するための車種開発、生産を加速化させる。一方、日本市場については、EV普及の足音がまだ聞こえてこない。
【参照ページ】トヨタがお伝えしたいこと
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