韓国政府は6月4日、「第3次エネルギー基本計画」を閣議決定した。再生可能エネルギー発電割合目標を、現在の7.6%から2040年に30%から35%にまで大幅に引き上げる。文在寅政権が2017年に作成した将来エネルギービジョン「再生可能エネルギー3020」では、2030年までに再エネ比率20%としていたが、2040年に最大35%にまでさらに高め、文在寅政権が2年前に打ち出した「脱原発」の方向性が確定した。
【参考】【韓国】政府、第3次エネルギー基本計画案公表。原発・石炭火力縮小。再エネ30-35%に大幅引上げ(2019年4月25日)
韓国の直近の電源構成は、石炭火力発電が43%、原子力発電が27%で全体の7割を占める。同計画の中では、石炭火力発電の今後については詳細は触れず、原子力発電についても新設及び老朽化原発の寿命延期はしないことだけを明記したが、政府は両電源を大幅に引き下げる考え。
韓国産業通商資源部のJoo Young-joonエネルギー・資源担当高官は6月7日、今後のエネルギー政策についてインタビューに答えた。まず、石炭火力発電の新設は全面禁止し、既存の石炭火力発電も順次稼働を停止させる。韓国では、すでに古い石炭火力発電所2ヶ所を停止し、近々さらに6ヶ所稼働停止させる。加えて、既存の火力発電所4ヶ所と新設計画中の石炭火力発電所2ヶ所を、天然ガス火力発電に切り替える。
原子力発電では、現状30基稼働しているが、2030年までに老朽化した12基を稼働停止させる。
一方、再生可能エネルギー普及のため、休耕田等に太陽光発電パネルの敷設を進める。再生可能エネルギーのコストについては、大幅にコストが下がっており、コスト的にも問題がなくなるという認識。
また水素エネルギーも推進していく。燃料電池自動車(FCV)の国内販売用の累計生産台数を、現状の2,000台から2040年までに290万台にまで増加させる。海外輸出分まで含めると2040年までに620万台を目指す。水素生産では、ガスの化学反応、水分解、化学工場からの副産物生成等を合わせ2040年までに年間526万tを目指す。価格は、2022年には1kg当たり6,000ウォン(約550円)、2040年には3,000ウォン(約275円)にまで下がると見立てた。
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