経済産業省と国土交通省が設置した港湾における洋上風力発電施設検討委員会は3月29日、洋上風力発電普及法が制定されたことに伴い、設備管理や処理面での技術的な内容をまとめた「洋上風力発電設備の維持管理に関する統一的解説」を発行した。
【参考】【日本】政府、再エネ海域利用法の関連政令を閣議決定。洋上風力を明記。占有可能空域・海底域も決定(2019年3月16日)
洋上の構造物については、電気事業法と港湾法の他、数多くの法律が関係しているものの、洋上風力発電設備を特別念頭に置いては作られていないため、不明瞭なところが多かった。設備設計と施工に関しては、すでに解説書が発行されていたが、肝心の維持管理については2018年12月から審議を行っていた。今回まとめた統一的解説では、各法と関連の政令、省令等の内容を統一的に整理し、洋上風力発電設備の運営ルール及び、発電所廃止時のルールを明確にした。
具体的には、「適用範囲、用語の定義、関連法規・関連規格」「電気事業法及び港湾法に基づく維持管理の考え方」「定期的な点検診断の方法、点検周期、維持管理体制」を記載。洋上設備については、台風等の影響も考えられるため、今回の解説書では、「遠隔監視等による維持管理の検討や、厳しい海象条件下においても人員を安全に輸送できるアクセス船の検討等を検討することが望ましい」とし、推奨される内容を記載した。また、落雷時に、風車を緊急停止できる装置の設置を義務化する海域も明示した。環境対策でも、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭、土壌汚染、地盤沈下に関して予想される具体的な内容と対策を事前に講じておくことを求めた。
但し、洋上風力発電所廃止時の設備の撤去については、海外でのルールを紹介するに留まり、日本法として何を遵守しなければいけないかは不明瞭なままとなっている。
【参照ページ】洋上風力発電設備の維持管理に関する統一的解説について
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