インデックス開発世界大手米MSCIと経済協力開発機構(OECD)は12月14日、国連持続可能な開発目標(SDGs)を考慮したESGインデックス設計に関する共同研究ペーパー「Institutional Investing for the SDGs」を共同発表した。SDGs分野に民間投資を呼び込みたいOECDと、ESGインデックス大手のMSCIが手を組んだ。
OECDは、SDGs分野での影響力やインパクトを発揮するためには、大企業の関与が不可欠と認識。その大企業に株主として影響を与えられる機関投資家の役割は大きいとした。また、大企業自身の海外直接投資(FDI)も、発展途上国の持続可能な成長に向けた非常に大きな存在とみている。その上で、ESGインデックス投資は、重要なソリューションの一つという見方を示した。
OECDとMSCIは、SDGsへの投資を促すESGインデックスの要件として、投資サイズや流動性がありリスク調整後リターンが高いものであること、ESGインデックス設定クライテリアが堅固で透明性が高いこと、ESGインデックスのSDGsへのインパクトを測定可能なこと、の3つを挙げた。
またSDGs達成に向けた企業アクションの観点では、ネガティブ・インパクトの削減に取り組む企業への投資増、高いポジティブ・インパクトをもたらす製品やサービス分野の企業への投資増、事業を通じたポジティブ・インパクトを向上するよう長期戦略策定を行う企業への投資増の3つがあると分析。3つの観点で対象企業を抽出した上で、時価総額の小さい企業のウエイトを多くするよう調整した時価総額加重平均型の「MSCI ESG Index」を設定。ベンチマークとのパフォーマンス比較を行った。
今回の結果では、ベンチーマークとして一般的な時価総額加重平均型のMSCI ACWIを用いたところ、過去5年間のリターンはほぼ同等だが、ボラティリティが高く出た。結果、シャープレシオは下がり、インフォメーション・レシオはマイナス0.09%だった。
MSCIは今後、今回設計を試みたインデックスの分析をさらに進める。また、投資コミュニティやNGO等からのフィードバックも歓迎するとした。
【参照ページ】MSCI and OECD Announce Collaboration to Help Institutional Investors Achieve UN Sustainable Development Goals
【ペーパー】INSTITUTIONAL INVESTING FOR THE SDGS
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