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【イギリス】北海産タラ、漁獲量制限により資源量が大幅に回復。数年内にMSC認証取得の兆し

 長年過剰漁獲により枯渇が危惧されてきた北海産タラ。しかし近年資源量の回復が確認され、国際漁業NGO海洋管理協議会(MSC)が管理するMSC認証取得の可能性が見えてきた。審査を通過すれば、北海産タラは初めてMSC認証の対象業種となる。タラは英国料理の代名詞「フィッシュ・アンド・チップス」の貴重な原料。

 タラの北海での資源量は、ピーク時の1970年代には27万tの成魚が確認されたが、2006年にはわずか4.4万tにまで大幅に減少。しかしその後、漁獲枠制限等の対策により、2016年の時点で約14.9万tに回復していることが確認された。環境保護団体は、持続可能な漁業を可能にするためには16.5万tまで回復するべきだと主張しているが、この水準で行けばその量にも達しそうだ。

 MSC認証取得に大きく期待しているのは水産関連事業者。漁業団体、水産加工業者、英小売大手セインズベリー、マークス&スペンサー、テスコ、モリソンズ等で構成する連合体は、来年までにMSC認証を取得したいと息巻いている。しかし、MSC認証の審査は、独立した科学者のグループが実施しピアレビューを含め平均18カ月かかるため、順調に行ったとしても現実的にはもう少し時間がかかりそうだ。また、MSCは、北海産タラの漁獲割当量は、EUによって管理されており、MSC認証を取得したからといって漁獲割当量が増えるわけではないと話している。それでも水産事業者の間では、MSC認証取得は漁獲割当量を増加させる大きな要因になると胸が高鳴っている。

 北海産タラを巡っては、英国漁業NGO海洋保護協会(MCS)も最近まで、消費回避を呼びかける「赤」リストに位置づけていた。昨年9月に「赤」リストからは削除されたものの、依然として下から2番目の「オレンジ」に位置づけられており、消費者に対して可能な限り代替品で我慢することを呼びかけている。MCSは魚介類の資源量を5段階(最高位が1)で評価しており、上から順に「緑」「黄緑」「黄」「オレンジ」「赤」のラベルが付けられている。北海産タラは、今年の最新の資源量をもとにラベルの色が見直される予定。MCSの色ラベル評価とMSC認証との間には制度的な関連性はないが、MCSで「緑」ラベルを取得した魚種の多くは、MSC認証の対象魚種になっている。しかしMCSは、「タラの資源量の回復は予想よりも遅く、漁獲水準は依然として高過ぎる」と慎重な姿勢も見せている。

【機関サイト】海洋管理協議会(MSC)
【機関サイト】海洋保護協会(MCS)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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