原子力世界大手フランスのアレバは9月15日、スペイン風力発電メーカー大手ガメサとの合弁企業、洋上風力発電事業のアドウェン社(Adwen)の全保有株式をガメサに売却することを発表し、洋上風力の分野から完全に撤退することが明らかとなった。ガメサは今年6月、独シーメンス社との間で風力発電事業を統合することを決定しており、これを受けアレバはアドウェン株をガメサから買い取るか、自社の保有株式をガメサに売却するかの選択を迫られていた。アレバは本業の原子力発電事業に注力していく。
【参考】独シーメンスと西ガメサ、風力発電設備事業を統合
アドウェンは、両社によって2015年3月に設立。出資比率は両社50%ずつで、CEOをアレバ側から、ゼネラルマネージャーをガメサ側から出していた。本社はスペイン・サムディオで、その他フランス、イギリス、ドイツにも事業所を置き、600人の従業員を抱えている。アドウェンは、アレバが保有していた洋上風力発電のタービンをガメサの技術を得て改善し、設計、開発、製造、販売、設置、アフターサービスまでをワンストップで提供することを目的としてきた。製品ラインナップは、アレバが開発を主導した5MW「AD 5-135」とガメサが開発した5MW「AD 5-132」の2種類で、さらに2018年までにアレバが開発を主導した8MWタービンの量産化に漕ぎ着ける予定だった。しかし、ガメサがシーメンスとの事業統合を決めたことで、世界最大の洋上風力発電機メーカーであるシーメンスから技術提供を受けていくことが鮮明となっていた。
アドウェンは設立時にすでに合計2.8GW分の洋上風力発電の建設を受注しており、2020年までにヨーロッパでの洋上風力発電機採用量で20%のシェアを占める見込み。シーメンス・ガメサ連合にアドウェンが加わったことで、ヨーロッパの風力発電機市場ではますますシーメンス・ガメサ連合が強大となってきた。最大の競合は、デンマークのヴェスタス社と三菱重工業の合弁、MHIヴェスタス社。
【参照ページ】WIND POWER: AREVA EXERCISES THE OPTION TO SELL ITS SHARE IN ADWEN TO GAMESA
【参照ページ】GAMESA AND AREVA CREATE THE JOINT-VENTURE ADWEN
【参考ページ】世界の風力発電導入量とビジネス環境 〜2015年の概況〜
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