Forbes紙は7月27日、サステナビリティで先進的な取り組みを行うアパレル企業として世界4社を発表した。アパレル業界は、原材料の栽培に使われる有害な化学薬品、製造後に残される有毒な廃水、無駄な水使用、消費過剰の常態化など、サステナビリティに関するテーマがたくさんある業界。とりわけ、2013年にはデンマーク・ファッション協会が、「アパレル業界は石油業界に次ぐ世界で2番目の環境汚染源だ」と発表したこともあり、アパレル業界に対する有害物質管理に対しては社会の目が厳しくなってきている。さらに、国際環境NGOのGreen CrossとPure Earthが報告したところによると、綿花栽培等に使われる殺虫剤が、鉛、放射性核種、水銀、クロム、カドミウムと共に世界6大汚染物質の1つとして存在しも扱われている。
今回、Forbes紙が高く評価したのは、米リーバイ・ストラウス、米フェイト、米バートン、フィンランドのマリメッコの4社だ。
リーバイ・ストラウス
リーバイ・ストラウスは、2007年と2015年、自社製品「501ジーンズ」のライフサイクル・アセスメントを実施した。その結果、1着のジーンズには綿花栽培から消費者利用までの全工程を通して約1,000ガロン(約3,800リットル)の水を使用することがわかった。同社はこの結果を踏まえ、2011年から節水仕上げ技術を採用、全ジーンズで水使用量96%を削減し、削減量は通算10億リットル以上。同社は最終ゴールとして、自社製品の100%で節水仕上げを導入するとしている。
フェイト
ニューヨークを本拠地とする靴メーカー、フェイト(FEIT)は、地球との繋がり、人々との繋がりを失うことの恐れが、サステナブルな製品作りの基盤となっているという。その意識に基づき、同社は素材を外部調達し、ハンドメイドによるシューズへの強い拘りを保っている。大量生産の流れ作業でなはない、人間の手、時間、思考、本能、適応性を反映させた製品作りによる工程の中心に人間の関わりを据えている。
同ブランドの皮革は、ヨーロッパ中の小規模、家族経営の鞣し工場で加工され、金属類を含まない、伝統的なベジタブルタンニン鞣し(植物タンニン鞣し)に注力している。現在は低品質の普及品への志向が強いが、同社は敢えて生産量を抑え、高品質を追求する方針を貫いている。
バートン
米バーモント州のスノーボードメーカー、バートン(BURTON)にとって、気候変動は積雪量に直接的に関係する気候変動が重大な関心事だ。多様な環境問題への取り組みの中でも、同社は特に気候変動対策に最大の努力を払っている。自社製品で最も環境に影響を及ぼしているのものを特定するためライフサイクル・アセスメントを実施し、さらに全ての織物類は承認済みのブルーサイン認証を取得している。ブルーサイン認証は、製品が安全な化学薬品及び素材で作られていること、材料を無駄にしていないこと、大気や水の汚染源になっていないことを第三者機関が認定する最高レベルの認証。
マリメッコ
フィンランドのアパレル企業マリメッコ(Marimekko)は、今年5月に開催されたコペンハーゲン・ファッション・サミット・デザイン・チャレンジに参加し、サステナブルなワードロープ3ブランドの1つとして認定された。同社はヘルシンキの本社内に工場を有し、年間100万メートル以上の布地を捺染している。コットンの調達から染色まで全ての工程で倫理的調達を実施している。
世の中にはびこる「廃棄主義」にも大きな警鐘を鳴らしており、良質かつ時代遅れにならない製品を作ることを志向している。実際にマリメッコの製品は、中古製品市場でも人気が高いという。
【参照ページ】Eco-Friendly Fashion Brands That Are Making Sustainability Look Chic
【参照サイト】
2015 World Worst Pollution Problems
http://www.worstpolluted.org/docs/WWPP_2015_Final.pdf
【参照サイト】
Fast Fashion Is the Second Dirtiest Industry in the World, Next to Big Oil
http://www.ecowatch.com/fast-fashion-is-the-second-dirtiest-industry-in-the-world-next-to-big--1882083445.html
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