国家発展改革委員会は2月17日に開いた記者会見の中で、二酸化炭素排出権取引市場を2017年にもスタートさせる考えを明らかにした。昨年度末に国際的な合意に至った「気候変動枠組み条約パリ協定」遵守に向けた国内制度化の一環。全国的な二酸化炭素排出権の配分制度や取引市場を整備し、気候変動の抑制に努めていく。
国家発展改革委員会スポークスマンの趙辰昕氏によると、パリ協定の国内制度化に関する内容は、昨今中国共産党第18期第5回中央委員会全体会議でまとめられた「国民経済お呼び社会発展の第13次5ヵ年計画制定に関する中国共産党中央委員会の提案」の中で、気候変動への対応、低炭素社会と環境と経済発展の両立が謳われているという。趙氏は、気候変動への対応は、国際社会への責任だけでなく、中国自身の発展においても欠かせないものであることとの考えを示した。
趙氏は、二酸化炭素排出権制度の確立の他に、中国が今後強化すべきテーマを4つ取り上げ、二酸化炭素排出量の削減に向け政府が全力を挙げ2030年前後に排出量をピークアウトさせること、石炭エネルギーのクリーン化と削減・天然ガスエネルギー利用の拡大・再生可能エネルギーの大規模展開によるエネルギー構造の転換、省・市・鎮など各行政単位でのパイロットプランの展開、温室効果ガス排出量測定計算手法と予報警告体制の整備についても取り組んでいくと述べた。
中国政府は、2011年から2015年までの政策計画であった「第12次5カ年計画」の中で、主要地方都市レベルでの実験的な二酸化炭素排出権取引市場整備に向けて取り組んできていた。今回の発表は、その活動を全国レベルにまで拡大し、試験運用から本格運用へと質的変換を測っていく意図ととれる。排出権取引市場は世界的にも未だ実質的な運用が軌道には載ってはいない状況だ今回の中国政府の施策により、どこまで世界的な活動が活発化していくか。中国政府の今後の発表に関係者は大きな関心を寄せる必要がある。
【参照URL】发改委:力争明年启动全国碳排放权交易市场
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