今年12月のCOP21の開催地でもあるフランスが、気候変動対策の一環として画期的な法整備が進んでいる。フランス議会は今年の3月、商業エリアにおいて新たに建造物を建築する場合、屋上部分の一部に植物または太陽光発電パネルの設置を義務づける新たな法案を通過させた。
屋上の緑化は遮熱・断熱効果をもたらし、夏の冷房や冬の暖房に必要なエネルギーを削減することができるほか、都市部のヒートアイランド現象抑制にもつながる。また、植物が雨をため込むことで水漏れや排水などに関する問題も解消され、都市部における自然へのアクセスが増えるなど、様々なメリットをもたらす。
また、今回の法律では植物の代わりに太陽光発電パネルを設置することも認められているため、今回の義務化が再生可能エネルギー推進のドライバーとなることも期待されている。フランスは再生可能エネルギーの普及においてドイツやスペインなど他のヨーロッパ諸国と比較して遅れをとっており、法的な後押しが求められていた。
今回フランス議会で承認された法律は、当初の環境市民グループらが提唱していた、フランス全地域の新建造物の屋上部分全てを緑化するという案よりは大きくスケールダウンしたものの、結果として企業らの義務負担が軽減された形となり、より現実的な法制度に収まった形だ。
屋上を植物で覆う、いわゆる「グリーンルーフ」は既にドイツやオーストラリアでは一般的で、カナダのトロントでも工業地域や住宅建物に対して2009年から同様の法律が適用されている。
【参照記事】France decrees new rooftops must be covered in plants or solar panels
【参照記事】France Says New Roofs Must Be Covered In Plants Or Solar Panels
【参照記事】France Mandates New Roofs Must Be Covered in Solar Panels or Plants
(※写真提供:Anastasios71 / Shutterstock.com)
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