国際グリーンボンド基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は1月31日、2021年の世界のグリーンボンド発行統計を発表した。CBI基準に適合するグリーンボンド発行とグリーンローン調達の額は、世界全体で5,174億米ドル(約60兆円)。2020年の2,695億米ドル(約28兆円)から2倍以上も伸長した。
2021年のグリーンボンドの国別発行額では、例年同様、米国が首位で800億米ドル近くをマークして首位。2位以下は、ドイツ、中国、フランス、英国、スペイン、オランダの順で、以上の国は200億米ドルを超えた。その後、イタリア、スウェーデン、国際機関、韓国、ノルウェーと続き、日本が14位。日本はついに韓国にも抜かれた。
(出所)CBI
資金使途別では、エネルギー分野が最も多く35%。続いて、不動産30%、交通・輸送18%、水インフラ6%、廃棄物4%の順。土地利用変化も5%あった。昨年と比べ、不動産が伸長し、交通・輸送の割合は減少した。
CBI認証取得グリーンボンドの発行体別では、中国開発銀行が初めてトップとなり、74億米ドル。2位以下は、ソシエテ・ジェネラル、中国工商銀行(ICBC)、クイーンズランド州、ABNアムロ、DNB、チリ政府、ウエストパック銀行の順。中国でCBI認証を積極的に活用する動きが広がってきていることがわかる。
グリーンボンド以外のサステナブルボンド(ESG債)では、ソーシャルボンドが2,451件で2,010億米ドル、サステナビリティボンドが959件で3,107億米ドル、サステナビリティ・リンク・ボンドが271件で1,302億米ドルだった。また別途、トランジションボンドも13件、44億米ドルあった。サステナブルボンド全体では、9,766億米ドルとなった。
CBIの2022年予想では、グリーンボンドは9,000億米ドルから1兆米ドル。グリーンボンド以外のサステナブルボンド(ESG債)では1兆米ドルから1.2兆米ドルと見立てた。合計では1.9兆米ドルから2.2兆米ドルになると予想した。2025年にはグリーンボンドだけで5兆米ドルにまで増えるとの大胆予測も発表した。
【参照ページ】$500bn Green Issuance 2021: social and sustainable acceleration: Annual green $1tn in sight: Market expansion forecasts for 2022 and 2025
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