米ジーナ・マッカーシー国家気候顧問、デブ・ハーランド内務長官、ジェニファー・グランホルム・エネルギー長官、ジーナ・レイモンド商務長官、ピート・ブティジェッジ運輸長官の5人は3月29日、ホワイトハウスで会合を開催。連邦政府官僚、産業界、労働組合と協議をした上で、2030年までに洋上風力発電を30GWにまで高める政策を発表した。
今回の政策は、バイデン大統領が公約として掲げる再生可能エネルギー産業新興の一環。特に大西洋沿岸、メキシコ湾、太平洋沿岸での洋上風力発電については期待を寄せていた。洋上風力発電は、アラバマ州やウェストバージニア州の製鉄産業にとっても追い風となり、テキサス州でも洋上風力発電敷設船の建造が進んでいる。
今回の発表では、内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)は、ニューヨーク湾入部(ニューヨーク・バイト)を有力地として挙げた。雇用創出効果としては、建設や開発で25,000人の雇用を新規で生み出せるという。2021年後半から2022年前半までに海区リース契約に関するパブリックコメントを実施する。
また、内務省、エネルギー省、商務省の3省は、2030年までに洋上風力発電を30GWにまで高める共通目標を発表。生物多様性の保護と海洋の共同利用の促進も同時に果たす。目標達成のために必要な設備投資資金は毎年120億米ドル(約1.3兆円)。直接的な雇用創出で44,000人、地域社会への波及効果では別途33,000人が見込めるとした。二酸化炭素排出量も年間7,800万t削減できるという。この目標に向け、内務省海洋エネルギー管理局は、2025年までに16件以上の洋上風力開発プロジェクト計画のレビューを行い、合計19GWを一気に導入する考えを示した。
さらに今回の発表では、洋上風力発電で2050年までに110GWを設置し、直接雇用効果77,000人、波及雇用創出効果57,000人というビジョンも見せた。
洋上風力発電推進のためのサプライチェーン構築でも、運輸省による港湾インフラの増強への2.3億米ドルの助成、エネルギー省による洋上風力関連産業への30億米ドルの政策融資も表明。R&Dでは、エネルギー省とニューヨーク州エネルギー研究開発庁が運営する「国家洋上風力研究開発コンソーシアム(NOWRDC)」が、15件のプロジェクトを対象に総額800万米ドルを助成するとした。商務省海洋大気庁(NOAA)も100万米ドル以上の助成金を用意する。
データ共有でも、NOAAはすでにオーステッドとの間で自然環境や生態系に関するデータ契約を締結済み。今後他の洋上風力開発事業者との間で同様の契約締結を進める。
またバイデン大統領は3月26日、4月22日と23日に開催する「気候リーダーズ・サミット」に、40人の政府リーダーを招待すると発表した。その中には、日本の菅義偉首相、中国の習近平国家主席、韓国の文在寅大統領、インドのナレンドラ・モディ首相、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領、ベトナムのグエン・フー・チョン共産党中央委員会書記長、シンガポールのリー・シェンロン首相、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、英国のボリス・ジョンソン首相、EUのシャルル・ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)とウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領等がいる。
【参照ページ】FACT SHEET: Biden Administration Jumpstarts Offshore Wind Energy Projects to Create Jobs
【参照ページ】President Biden Invites 40 World Leaders to Leaders Summit on Climate
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