米国務省のキース・クラック経済成長・エネルギー・環境担当国務次官は8月18日、中国・新疆ウイグル自治区での人権侵害問題に対し、米国の各大学の理事長に対し、大学基金での投資運用で関連企業からの投資引揚げ(ダイベストメント)を要請するメッセージを発信した。また投資先の全中国企業名を公表することも呼びかけた。
今回の措置は、米国連邦政府が、中国企業に対し経済的な影響力行使を狙ったもの。すでに米商務省産業安全保障局(BIS)は5月、中国関連企業33社を規制対象法人リストに追加し、輸出禁止の措置をとっているが、今回新たに大学基金を通じて金融市場からもプレッシャーをかける。
具体体的な措置としては、商務省の規制対象法人リストと、その他人権侵害に関与している企業からのダイベストメントを要請した。また投資先の中国企業名公表では、特に新興国インデックスファンドに採用している中国企業名を公表するよう促した。
米国務省は、大学の自治を尊重すると強調しながらも、中国の影響力を排除することはむしろ大学の自治につながるとし、今回の措置についても正当性を主張した。
米ムニューシン財務長官は8月10日、監査の透明性欠如を理由に、2021年末までに米国の証券取引所から中国企業を上場廃止にする意向も表明している。米政府によると、中国証券法177条を理由に、中国企業は海外当局に対する情報の提供を拒否しているという。大学基金による投資引揚げは、上場廃止措置の強化につながるものとして、「賢明な判断」を求めた。
【参照ページ】Letter From Under Secretary Keith Krach to the Governing Boards of American Universities
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