経済産業省は7月17日、4月30日に成立した2020年度補正予算に盛り込んだ「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」制度について、6月5日までの先行審査受付案件について57件の事業を採択した。
同事業は、新型コロナウイルス・パンデミックで、日本のサプライチェーンの脆弱性が顕在化したため、生産拠点の集中度が高い製品・部素材や、重要製品・部素材の生産を国内に回帰させることを目的としたもの。特に中国から国内への生産回帰が念頭にあると目されている。
同補助金の予算枠は2,200億円。今回の採択では、90件で約996億円の応募があり、そのうち57件で約574億円を採択した。採択された57件のうち、同省が定義した「大企業」が17件で、全体の3割。残りは中小企業案件だった。大企業案件は、カネカの生分解性ポリマーPHBH、明治ホールディングス傘下のMeiji SeikaファルマとMeijiアグロケミカルの農薬原体、栄研化学の新型コロナウイルス検査試薬キット、塩野義製薬等のワクチン、テルモのワクチン注射用シリンジ、ニプロ子会社ニプロファーマの医薬品、三菱製紙やフェニックス電機、シャープの不織布マスク棟。
今回の補助金では、生産拠点の密度が高い製品・部材と、国民生活上の重要製品・部材の2部門に分けて募集された。そのうち後者が51件を占めた。案件は大半が、感染症の医薬品・個人用医療防具等だった。
また同じ補正予算で決まった「海外サプライチェーン多元化等支援事業」制度の採択結果も発表された。同制度は、中国からASEANへの工場移転を狙った補助金で予算枠は235億円。日本貿易振興機構(JETRO)を通じて募集を受け付け、6月15日までの一次公募受付の結果、今回30件が採択された。大企業案件は8件で、大半が中小企業案件だった。大企業案件は、信越化学工業、住友ゴム工業、東洋紡、日機装、HOYA、マツオカコーポレーション、ヨコオの案件だった。
【参照ページ】サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金の先行審査分採択事業が決定されました
【参照ページ】海外サプライチェーン多元化等支援事業の一次公募採択事業が決定されました
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