英シンクタンクは7月1日、農業・食品関連分野に投資している機関投資家を対象とした分析レポートを発表。食品分野は自然資本リスクが増加しているにもかかわらず、機関投資家は情報開示の中で自然資本リスクに十分に言及していないと警鐘を鳴らした。
今回のレポートを発表したのは、英ロンドンに本部を置くプラネット・トラッカー。同団体は、マーク・カンパナーレ氏とニック・ロビン氏が2018年5月に創設。両氏は、2009年にカーボン・トラッカーを創設し、2011年には気候変動対策を進めると化石燃料の資産価値がなくなる「座礁資産」という概念を打ち立てたことで知られる。2017年には漁業マネジメントを対象としたフィッシュ・トラッカーも創設。3団体とも、機関投資家に対して環境ファクターがもとらす投融資リスクの提唱を得意としており、世界的に影響力が大きい。
プラネット・トラッカーは今回、運用資産残高の大きい農業・食品分野への投資信託37本から、同業界への投資割合が20%以上の投資信託19本を抽出。開示動向の分析を行った。19本の運用資産残高(AUM)総額は165億米ドル(約1.8兆円)。
そのうち、何らかの自然資本リスクについて情報開示の中で言及していたのは、「DWS Global Agribusiness」「DWS Invest Global Agribusiness」「Janus Organics ETF」の3本のみ。国連持続可能な開発目標(SDGs)等の国際イニシアチブに言及していたのは、「DWS Invest Global Agribusiness」の1本だけだった。
同レポートは今回、機関投資家に対し、自然資本リスクに対応できるソリューションへ投資することや、自然資本リスクに関連する情報開示、自然資本リスク・エクスポージャーの測定・開示、方針の説明、投資意思決定への反映、リジェネラティブ農業への支持等を提言した。
【参照ページ】Top AgriFunds are generally not reporting key nature-related risks to investors, says Planet Tracker
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