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【インドネシア】憲法裁判所、同性愛非合法化の訴えを僅差で棄却。今後、国会で議論

 インドネシア憲法裁判所は12月14日、宗教活動家や保守派学者などで構成するグループ「ファミリー・ラブ・アライアンス(家族愛同盟)」が同性愛や婚外性行為の違法性を訴えた訴訟を、5対4の僅差で棄却した。しかし判決は僅差だったため、今回の判断により同国における多様な性的指向を許容する動きが加速するかは未知数。

 インドネシアの人口約2.6億人のうち、イスラム教徒は約87.2%を占めている。インドネシアでは近年、LGBTに対する反感や敵意が表面化しており、イスラム法が支配的なアチェ州では2015年、同性愛性行為を最大100回のムチ打ち刑で罰した。イスラム教は性的関係について特に厳しい戒律があるため、同性愛の違法性を却下した今回の判決は、自由主義を支持したものと注目されている。一方、同国政府はアルコール販売やオンラインポルノを厳重に取り締まっており、その背景には、イスラム教保守派が政界での存在感を高めていることがあると言われている。

 憲法裁判所は違憲立法審査権を持つ。今回の訴訟に関しては、467ページにおよぶ判決文の中で、同性愛や婚外性行為に関する現行法は、1945年に制定された憲法に矛盾しないと結論づけた。また、原告が主張する内容の法改正を行うか否かの判断は、憲法裁判所の権限を越えているという判断を下した。一方、今回の判決に反対した4人の裁判官は、同性愛は宗教上の戒律および現行法の下で非難すべき性行為の1つだと主張した。

 今回の憲法裁判所の判断により、イスラム法に基づく州条例を制定する自治権が認められているアチェ州以外では、同性愛の合法性が確立した。しかし、その後も警察当局は、2008年の反ポルノ法を理由に同性愛の取締を続けている。12月18日には、10人に有害判決が出されている。今後は国会を舞台に議論が続く。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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