Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【アメリカ】フォード、ミシガン州でのEVバッテリー工場建設を中断。カナダでは労使協定成立

 自動車世界大手米フォードは9月25日、ミシガン州マーシャルで建設を進めていたEVバッテリー工場の建設作業を一時中断としたと発表した。競争力のある工場運営への懸念を理由に挙げたが、詳細は明らかにしていない。

 同社は2月、35億米ドル(約4,600億円)を投じ、同工場の建設計画を発表。工場運営では、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)から技術ライセンスを受けると発表していた。また2,500人の雇用創出の見通しを示していた。同工場の生産能力はEV40万台分のバッテリーを生産。2026年の稼働開始を予定している。

 今回の発表については、理由として2つの説が噂されている。1つ目が、CATLからライセンスを受けることで、中国依存が高まると米共和党陣営から批判されている点。

 もう一つは、現在直面している労働組合からのストライキによるもの。全米自動車労組(UAW)は9月15日、フォード、GM、ステランティスの組合員にストライキ突入を指示している。同ストライキでは、フォードのミシガン組立工場(リージョン1Aローカル900)の約3,300人がストライキに入っており、さらに9月22日には、交渉期限を迎えても会社側が要求を飲まなかったことを理由に、GMとステランティスの合計20州38ヶ所の部品配送拠点で合計約5,600人が新たにストライキに入った。UAWは、今回のストライキ手法を「スタンドアップ・ストライキ」と呼称し、徐々にストライキを対象を拡大し、企業側を揺さぶる戦略に出ている。

【参考】【アメリカ】全米自動車労組、ビッグ3で段階的ストライキ突入。史上初。労使交渉決裂(2023年9月15日)

 フォードは、今回の労使交渉で、比較的妥協の姿勢を示してきたが、ジム・ファーレイCEOは、メディアへのインタビューの中で、もしUAWが求めている給与や手当を全面的に受け入れていたら、EVへの投資を中止せざるをえないと語っていた。

 バイデン大統領は9月22日、今回のストライキでUAW側を支持し、自身もミシガン州入りすると発表。またその前の9月20日にトランプ前大統領もUAWの応援でミシガン州入りをSNSにコメントしたことから、バイデン大統領も負けじと動いたとの見方もある。事態収集の見通しはみえない。

 一方、フォードのカナダ法人は9月24日、自動車業界従業員も加盟しているカナダ労働組合「ユニフォー」との間で、今後3年間の労使交渉が成立したと発表。労使交渉では、フォードのカナダ法人として史上引上げ幅最大となる給与15%引上げで合意。臨時ボーナスとして、フルタイム従業員には1万カナダドル、パートタイム従業員には4,000カナダドルの支給も決定した。新入社員の賃金昇格期間も半分に短縮し、年金給付率の大幅引上げも決まった。

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。