食品世界大手スイスのネスレ英国法人は9月12日、カカオの殻を低炭素肥料の原料として活用する実証を開始したと発表した。カカオの殻は、同社のカカオ加工品サプライヤーである食品世界大手米カーギルが供給する。
同社は、2050年までにバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成を目標として掲げており、2030年までに主要原料の50%をリジェネラティブ農業で調達することにもコミットしている。今回のアクションもその一環。肥料の生産と使用は、世界の二酸化炭素排出量の約5%を占めており、英国で栽培される小麦の二酸化炭素の50%以上は肥料使用に関連している。
今回の実証プロジェクトでは、まず、ネスレの主力商品「キットカット」や「エアロ」等の主要原料となるカカオの加工を行うカーギルが、英ヨークに在る同社工場からカカオの殻を供給する。その後、英CCm Technologiesが、カカオの殻を肥料ペレットに加工する。生産された肥料は、ネスレのサプライチェーン上の小麦農家に供給。英Fera Scienceが、英サフォークとノーサンプトンシャーの耕作農場での実証の設計とパフォーマンス・チェックを行う。実証期間は2年間。
今回の実証が成功した場合、同社の英国小麦サプライチェーンの農家に対し、低炭素肥料を最大7,000t提供できる見込み。この肥料量は、同社英国法人の小麦における総肥料使用量の約25%に相当する。
【参照ページ】Transforming cocoa husks into low-carbon fertilizer in new pilot from Nestlé and partners
【画像】Nestlé
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