バングラデシュのダッカ北市のアティクル・イスラム市長は7月11日、アジア地域の行政組織として初となる「最高熱責任者(CHO;チーフ・ヒート・オフィサー)」にブシュラ・アフリーン氏を任命した。猛暑対策を管掌する。
ダッカ市の人口は約1,000万人。2011年にダッカ北市とダッカ南市に行政組織が分割し、ダッカ北市の人国は約600万人。ダッカ北市は、都市のヒートアイランド現象の影響を特に受けやすく、市内のホットスポットは周辺の田園地帯よりも10℃以上高い。さらにバングラデシュの他の地域での気候災害の影響で、毎日2,000人がダッカに移り住んでいる状況。
猛暑はすでに、ダッカ北市の年間生産高の8%を超える労働生産性の損失をもたらしており、危険な猛暑日の日数は2050年までに倍増すると予測されている。猛暑の影響は指数関数的に拡大し、女性と女児により大きな負担がかかることになる。
アティクル・イスラム市長は、アドリアン・アーシュト・ロックフェラー財団レジリエンス・センター(アーシュト・ロック)のイニシアチブ「Global Champions for Heat Action」への加盟を果たしており、気候変動適応を重視。アフリーンCHOは、猛暑に対するダッカ北市の総合計画と対策の指揮を一元化することで、対策を加速させる。特に最も脆弱な地域や人々の猛暑のリスクと影響を軽減するための新たなアクションを開始する。
アフリーンCHOは、カナダのオンタリオ州キングストンにあるクイーンズ大学でグローバル開発学を専攻し、ガーナで1年間勤務していた経験も持つ。就任前には、バングラデシュのアスリアで家族経営の輸出衣料品事業で社会福祉担当役員を務めていた。同氏は、会社が後援する授乳室、育児、託児施設の提供等、働く母親を支援し、応援するための施策の実施を監督。さらに、従業員全体を対象に、アフリーンは生産現場の熱を下げるタスクフォースを設立し、顧客向けにもサステナブル・ファッション・オプションを開発。シャクティ財団ではマイクロファイナンス・スキームや現場管理もしていた。
すでにCHOを就任している行政地区には、米国マイアミ・デイド郡、ギリシャのアテネ市、シエラレオネのフリータウン市、チリのサンティアゴ市、メキシコのモンテレイ市、オーストラリアのメルボルン市があり、ダッカ北市が7番目。
【参照ページ】Dhaka North becomes the first city in Asia to appoint a Chief Heat Officer
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