ベルギー金属大手ユミコアは6月20日、ベルギー・オレンに世界最大級の全固体電池材料の実証施設を開設すると発表した。同施設では、材料の配合、特性評価、製造、バッテリーセルの組み立て、バッテリーレベルでの試験等の全固体電池開発チェーンを一貫して実施できる。これにより正極活物質と全固体電解質を組み合わせたカソードライト等、新たな材料カテゴリーの開発を実現する。
今回の発表は、同社の研究開発本部のある敷地内工業用ビルを実証施設に転換するというもの。全固体電池の開発には、水分に敏感な材料が使われるため、同施設内は湿度0.1%以下で、1時間に20万m3の乾燥した空気が吹き抜ける等、特殊なインフラ環境を整備した。空気を極度に乾燥させることで、電池材料の安定性を保ち、製品寿命を延ばすことに寄与する。結果、バッテリー交換頻度を低減できる。
ユミコアは現在、電池材料分野で、中・高ニッケルNMC(ニッケル、マンガン、コバルト)バッテリーの技術を持つ。近い将来にはマンガンリッチHLM(高リチウム、マンガン)技術の他、さらにその将来にはナトリウムイオン正極と全固体電池技術を視野に入れている。今回の実証施設開設では、ベルギーのフランダース地域政府からも補助金を受けている。
【参照ページ】Umicore speeds up its EV battery materials R&D with unique large-scale prototyping center for solid-state battery materials
【画像】Umicore
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら