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【アジア】ASFI、プライベートバンク向けESG評価フレームワーク「SPRING」発表。7社協力

 国際環境NGO世界資源保護基金(WWF)のシンガポール支部が事務局を務める「アジア・サステナブルファイナンス・イニシアチブ(ASFI)」は6月5日、アジアのプライベートバンクを対象とした、ESGインテグレーション評価フレームワーク「サステナブル・プライベートバンク&ウェルスマネジメント(SPRING)フレームワーク」を策定した。

 ASFIはこれまで、2017年に銀行向けのフレームワーク「SUSBA」、2019年に運用会社向けのフレームワーク「RESPOND」、2020年に金融当局・中央銀行向けのフレームワーク「SUSREG」を策定。今回、世界中で存在感が大きくなっているプライベートバンク向けのフレームワークを開発した形。策定作業には、アジア4社、欧州2社、米国1社の合計7社のプライベートバンク大手が、パイロット調査に協力した。但し、個社名は明らかにされていない。

 特にアジアでは、資産運用収入が2025年までに900億米ドルに達すると予想されており、アジアにおける超富裕層(UHNWI)の増加に伴い、アジアのプライベートバンクは今後数年間で大きな成長を見せると予想。40歳未満の富裕層(HNWI)の約半数(49%)がESG投資に関心を持っているとの統計もある。

 SPRINGフレームワークでは、「パーパス」「方針」「プロセス」「人」「商品」「ポートフォリオ」の6つの柱で構成。合計で48の設問項目が設定されている。

 7社が協力したパイロット調査の結果では、7社全てが1.5℃目標へのコミットメントを公表済みで、国連持続可能な開発目標(SDGs)に関する整合性マップを策定している企業も5社あった。そのうち気候変動で科学的根拠に基づく目標を設定している企業は3社にとどまった。ポートフォリオ企業に対し、森林破壊や人権等の環境・社会リスクの継続的なチェックを行っている企業は4社だった。ESGデータの活用では、5社全てが1つ以上のデータを活用しており、インハウスのESGデータが3社、外部提供のESG評価データが4社、外部提供のESGローデータが4社だった。

 また、監査委員会でサステナビリティ考慮の付託条項を整備している企業が3社、指名委員会でサステナビリティ考慮基準を設けている企業は1社。議決権行使方針に関しても、調査結果が発表されている。

【参照ページ】WWF-Singapore’s New Private Banking Pilot Study Shows Opportunities for Private Banks in Asia to Deliver Impactful Change

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