欧州委員会は6月15日、10月1日から2025年末までの移行期間中における炭素国境調整メカニズム(CBAM)実施規則案に関するパブリックコメント募集を開始した。募集締切は7月11日。
【参考】【EU】EU-ETS改革と炭素国境調整メカニズム(CBAM)の関連法成立。CBAMは2026年から(2023年4月27日)
CBAMは「国境炭素税」とも呼ばれる。2025年末までの移行期間中には、実際には国境炭素税は発生せず、輸入事業者は対象輸入品に含まれる排出量の報告のみが義務付けられることを明確にした。特に実施初年度は、猶予措置として、報告内容に関しては、今回設けられた「EU方式」の他、「第三国国内制度報告方式」「参照値に基づく報告方式」も選択可能。但し、2025年1月1日からはEU方式のみに一本化される。
欧州委員会は、この猶予期間を活用し、報告を支援する専用のITツールや、詳細ガイダンス、研修資料等を用意していく。輸入事業者は2023年10月1日時点で第4四半期のデータを収集するよう求められているが、最初の報告書提出の締切は、2024年1月末日までと長く設けられた。
同実施規則案は、EU加盟国の代表で構成されるCBAM委員会を通過した後、今夏以降に欧州委員会が正式採択する。また、欧州委員会は、今回の移行期間での状況を欧州議会とEU理事会に報告し、必要と判断されれば2025年半ばまでに規則の修正案を用意する。また2026年移行の本格導入の実施規則については、別の実施規則として制定されるため、あらためて案を公表し、パブリックコメント等を募集してから決定する。
【参照ページ】The Carbon Border Adjustment Mechanism starts applying in its transitional phase as of 1 October: Commission consults on reporting obligations
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