欧州委員会は6月16日、EU域内で販売されるスマートフォン及びタブレット端末、その他携帯電話、コードレス電話に関し、環境関連の表示を義務付けるEU規則案を発表した。EUエコデザイン規則及びEUエネルギーラベル規則に基づく、政令に相当する委託法令の形式を採る。今後、欧州議会及びEU理事会に提出され、2ヶ月間の間に異議申立てがなければ、成立する。
同法では、EU域内で販売されるスマートフォンやタブレット端末等に関し、省エネ性能、バッテリー寿命、埃や水からの保護、不意の落下への耐性に関する情報の表示を義務化。加えて、修理可能性スコアの表示も義務付けられる。消費者に対する持続可能な消費やサーキュラーエコノミー促進の一環。
表示では、EUで広く普及している「A」から「G」までのエネルギー等級ラベル表示を採用。詳細情報は、EU全体のデータベース「European Product Registry for Energy Labels(EPREL)」で提供する。
修理については、プロの修理事業者、交換に必要なソフトウェアやファームウェアに無差別にアクセスできることを担保した上で、重要な交換パーツを、5日から10営業日以内に修理事業者に提供する製造者の義務や、EU市場での当該製品モデルの販売終了後7年までの修理義務等が盛り込まれた。電池は、初期容量の80%以上を維持しながら、少なくとも800回の充放電に耐えられるようにすることも課す。OSのアップグレードは、製品が上市してから5年間は保証する。
欧州委員会は、同法により、2030年までに、現在当該商品のエネルギー消費量の3分の1に相当する毎年約14TWhを削減できるとみている。重要鉱物の消費削減にもつなげる。
同法は、成立した後、21ヶ月間の猶予期間が設けられており、その後に適用される。
【参照ページ】Circular economy: New rules to make phones and tablets more durable, energy efficient and easier to repair, enabling sustainable choices by consumers
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