自動車世界大手GMは6月8日、2025年から北米での電気自動車(EV)充電規格(NACS)に関し、テスラの規格を採用する協業を発表した。規格が統一されることで、インフラコストの低減につながる。
GMは今回、テスラの規格を採用することで、GMのEVドライバーは、北米全域で12,000基のテスラのスーパーチャージャーで充電できるようになると強調。設置台数はさらに増加する見込みで、GMの顧客に関する利便性を訴求した。
今回の発表を受け、テスラのスーパーチャージャーは、2024年からGMのEVドライバーに開放される。最初はアダプターを装着しての仕様となるが、2025年以降のEV車種では、アダプターなしで充電できるようにする。将来的には、GMはNACS対応車のドライバー向けに、CCS対応の急速充電ステーションでの充電を可能にするアダプターを用意する予定。
テスラは、すでに欧州では、他社向けの充電を開放している。北米については、アダプターの規格が異なるため、開放に時間を要したが、ついに実現する形となる。
EV充電規格では、欧州の国際規格「コンバインド・チャージング・システム(CCS;コンボ)」、日本と中国の合同規格「CHAdeMO」、テスラの「スーパーチャージャー」の規格が三つ巴の状況。かつては、CHAdeMOが世界市場を支配していたが、日本でのEV導入が遅れたことも要因となり、最近は敗色が濃厚になっている。今回GMは、早晩、CCSでの充電も可能にしていくことを表明しており、ますますCHAdeMOのみが浮いている状況になっている。
【参考】【国際】EV急速充電規格、CHAdeMOの敗色濃厚。バイデン政権CCS必須決定。ICMMもCCS協働へ(2023年4月15日)
またGMは6月2日、韓国化学大手ポスコ・フューチャーM(旧・ポスコケミカル)と協働で、北米でのリチウム電池の原料となる正極活物質(CAM)とCAMの前駆体(pCAM)の生産増強のために、10億米ドル(約1,300億円)を投資すると発表した。GMが生産している「Ultium CAM」で、ポスコ・フューチャーMとの提携が第2段階に突入する。
現在、CAMの生産のうちpCAMの生産コストが全体の約40%を占める。また、CAMとpCAMの加工はアジアに集中しており、GMは北米での生産体制を整えていく。
【参照ページ】General Motors Doubles Down on Commitment to a Unified Charging Standard and Expands Charging Access to Tesla Supercharger Network
【参照ページ】GM and POSCO Future M to Expand EV Battery Supply Chain in North America with New Integrated CAM and Precursor Processing Complex
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