国際グリーンボンド基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は4月20日、2022年の世界のサステナブルボンド・ローン(ESG債・ローン)統計を発表した。2022年は前年比24%減の8,585億米ドル(約117兆円)となった。要因についてCBIは、インフレによる債券市場全体の低迷と説明した。
種別では、グリーンボンド・ローンが前年比16%減の4,871億米ドル。ソーシャルボンド・ローンが前年比41%減の1,303億米ドルで、新型コロナウイルス・パンデミックで2020年と2021年に膨らんだものが減少した。サステナビリティボンド・ローンが21%減の1,613億米ドル。サステナビリティ・リンク・ボンド及びローンは32%減の764億米ドル。
またグリーンボンド・ローンとは認識されないが、低炭素化に資するトランジションボンド・ローンは5%増の35億米ドルで唯一伸びたが、規模が小さいままだった。トランジションの案件数は9件から25件へと大きく増加。中国と日本で伸びた。
(出所)CBI
2022年のグリーンボンドの国別発行額では、例年同様、米国が首位で1,159億米ドル。フランスが2位、中国が3位、ドイツが4位、オランダが5位だった。グリーンボンドの発行では中国首位で854億米ドルだった。
(出所)CBI
CBIは今回、グリーンボンド・ローンは、2025年には年間で5兆米ドルにまで伸びると予想。前年から据え置いた。但し、実際には、予想というよりも、要請に近い表現。
CBIは同日、第8回気候債券アワードの受賞者も発表。グリーンボンドやソーシャルボンド等の各分野の発行額等で表彰した。国債分野で複数の国も受賞した。日本の発行体はなかった。
CBIは3月、中国・ブラジルビジネス協会(CEBC)、金融サステナビリティ研究所(IFS)、中国食品・農産物・動物副産物輸出入商会(CFNA)が主催した北京での「持続可能な農業ビジネスとグリーンファイナンスに関する中国・ブラジル協力対話」にも出席。CBIと地球環境研究所(GEI)が開催を支援した。同会議は、ブラジルのルーラ・ダ・シルヴァ大統領が提唱したもので、中国とブラジルの双方で持続可能な農業の促進を盛り上げた。CBIは、中国とブラジルのグリーン農業の共通基準を策定していくと表明した。
【参照ページ】Green and Other Labelled Bonds Fought Inflation to reach USD858.5bn in 2022
【参照ページ】Celebrate the Climate Finance Pioneers — 8th Climate Bonds Awards Winners
【参照ページ】China and Brazil explore Green Investment Opportunities in Sustainable Agriculture
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