EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は6月3日、ロシアとベラルーシに対する経済制裁の第6次パッケージを決定した。まもなく官報に掲載される。欧州委員会は5月に案を発表していたが、調整に1ヶ月かかった。5月の欧州理事会で最終調整がついた。
【参考】【EU】欧州委、第6次ロシア経済制裁案発表。ロシア産石油禁輸も含めたい意向(2022年5月6日)
【参考】【EU】欧州理事会、ロシア産石油禁輸で最終合意。パイプライン輸送は暫定除外(2022年5月31日)
追加経済制裁では、まず、ロシア産石油へのEU域内への購入、輸入、輸出を全面禁止した。但し、地理的な条件からロシア産石油に依存しており、代替手段がない場合は、パイプラインによる輸入は一時的に禁止の対象から外す想定。同例外規定は、主に禁輸に強硬に反発していたハンガリーとの妥協。また、ブルガリアとクロアチアもロシアの海上原油と海上減圧軽油(VGO)に依存しており、例外的に輸入を認める。
金融関連では、ロシア金融大手のスベルバンク、モスクワ信用銀行、ロシア農業銀行、ベラルーシ開発復興銀行をSWIFTから排除する。
放送では、ロシア国営放送のロシヤRTR/RTRプラネタ、ロシヤ24/ロシア24、TVセンター・インターナショナルの3社を対象に、EU域内での放送事業を全面停止。偽情報を拡散していると判断した。一方、EU基本権憲章に基づき、同メディアや従業員がEU域内で放送以外の事業を行うことは禁止されない。
コンサルティングサービスでは、会計、PR、コンサルティングの関連サービスのロシアでの提供が禁止となる。
法人と個人の経済制裁では、ロシアの65個人と18団体、ベラルーシの12個人と8団体を新たに対象に追加した。制裁対象となったロシアの18法人には、ロシア最大の証券保管機関である国家決済保管機関も含まれた。今後の制裁対象となる物品・技術リストに関しても、化学兵器の製造に使用可能な80種類の化学物質等を拡大していく予定。
【参照ページ】Russia’s aggression against Ukraine: EU adopts sixth package of sanctions
【参照ページ】Russia’s aggression against Ukraine: the EU targets additional 65 individuals and 18 entities
【参照ページ】Belarus: EU adopts new round of restrictive measures over internal repression
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら