国際エネルギー機関(IEA)とパートナー機関は11月4日、自動車での二酸化炭素排出量削減に向けた方向性を示す提言レポートを発表した。同レポートは、2年毎に発行。今回初めて、燃料の抽出、精製、加工から自動車のエンジンで消費されるまでの排出量も分析した。
同レポートは、IEA、国連環境計画(UNEP)、国際交通フォーラム(ITF)、国際クリーン交通委員会(ICCT)、米カリフォルニア大学デービス校、国際自動車連盟(FIA)財団で構成する「グローバル・フューエル・エコノミー・イニシアチブ(GEEI)」が発行。トラックやバスの大型自動車を除いた自動車市場を分析している。
世界の平均燃費の状況では、EUや米国では過去数年で改善しているものの、世界全体では過去2年間でわずか0.9%の減少にとどまっている。さらに世界全体の減少量の大半を中国での規制強化が貢献しており、世界全体では今後大胆な削減が必要となるとした。
GEEIは現在、2030年までに自動車とバンの新車での燃料消費量を2005年比で50%減少させるという目標を掲げているが、過去15年間に見られた年平均の改善ペースのほぼ3倍が必要になるという。燃費は、1l当たりの走行距離等、特定の燃料あたりの自動車の走行距離を示すもので、自動車の使用による二酸化炭素排出量や汚染物質排出量を示す重要な指標。
燃費改善が停滞している背景については、欧米での燃費規制基準の停滞、燃焼消費が33%程度多いSUV市場のシェア上昇、燃費改善のためのコスト増等を挙げた。
同報告書では、提言として、効率的なゼロエミッション車の市場シェア拡大を実現する強力な政策を要請。他にも、ガソリン・ディーゼル車両の技術進歩、自動車のサイズと馬力の増大抑止も掲げた。
【参照ページ】Meeting climate targets requires a rapid acceleration in the fuel economy of vehicles
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