機関投資家の食品・小売関連イニシアチブ「Farm Animal Investment Risk and Return(FAIRR)」は9月29日、食品・小売世界大手25社のタンパク源多様化に関する対策ランキングの2021年版を発表した。タンパク源の多様化は、気候変動対策のために必要とされてきている。タンパク質製品の多様化の一つの例は、植物由来の代替肉の提供や豆乳製品の拡充。
【参考】【国際】FAIRR、食品・小売25社の植物由来タンパク質製品対策ランキング発表。R&D投資進む(2020年7月30日)
今回の調査の対象企業は、ウォルマート、カルフール、コストコ、テスコ、セインズベリー、マークス&スペンサー、アホールド・デレーズ、モリソンズ、コールズ、アマゾン、ネスレ、ユニリーバ、マース、ハーシー、コナグラ・フーズ、モンデリーズ・インターナショナル、ゼネラル・ミルズ、クラフト・ハインツ、クローガー等。日本企業は含まれていない。
首位はユニリーバ。また最上位ランクの評価を受けたのは、テスコ、ネスレ、セインズベリー、コナグラ・フーズの4社。一方、最低位ランクの評価は、下から、コストコ、クラフト・ハインツ、アマゾン。
(出所)FAIRR
FAIRRは7月、今回の25社の分析レポート「Appetite for Disruption: A Final Serving」を発表。全体の概観として、代替タンパク質の提供を拡大するための目標を策定した企業の割合は、2018年の0%から2021年には28%にまで増加。スコープ3の二酸化炭素排出量を公表している企業も、2019年の21%から2021年には48%にまで増えたと伝えていた。
機関投資家によると、アクションが遅れている企業は、食肉や乳製品の生産に関連する気候変動リスク、風評被害、タンパク質の移行に関する規制が迫っていることへのリスクを負っているという。
北米では、すでに代替タンパク質製品に対する消費者の需要が急増。植物性ミルクは、米国の39%の家庭ですでに購入されており、昨年の植物性食品の売上の増加率は、米国の小売食品売上の増加率の約2倍だった。
FAIRRの調査では、2021年は「培養肉の年」とも言われるようになっており、培養肉技術への投資も、2020年には3億6,600万米ドルに達し、2021年にはすでにその総額を超え、これまでに培養肉企業に5億600万米ドルの投資が行われている。
【参照ページ】Sustainable Proteins Hub
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