国際エネルギー機関(IEA)は3月2日、2020年の通期の二酸化炭素排出量は、新型コロナウイルス・パンデミックの影響で、第二次世界大戦後最大の削減幅となる前年比6%減で着地したと発表した。しかし、地域や各月では大きく変化が異なった。経済が回復してきた12月に関しては前年比2%増となり、パンデミック前を上回る勢いとなってきた。
2020年の状況では、4月に向かって大幅に排出量が下がり、4月を底に徐々に回復する軌跡をたどった。通期では前年より20億t減少し、発電に限っては4.5億tのマイナスだった。
IEAは、2020年にはカーボンニュートラルを宣言する国が相次いだものの、削減への大胆なアクションを早急に開始しなければ、当面は削減量が上回っていくとの危機感を表明。各国では2020年の排出量は前年を下回った中、中国のみは排出量が前年を上回り0.8%増だったこともわかった。
インドでも、9月以降は月別で前年比を上回り、ブラジルも第4四半期は前年比を上回った。
米国は、2020年には前年比10%減で着地。しかし12月には前年と同等水準にまで上昇。原因としては、12月に巨大な寒波が襲い、ガス価格も高騰したことで、石炭の消費増へと向かったため。
IEAは、エネルギーセクターでの2050年カーボンニュートラルを実現するための包括的なロードマップを5月に発表する予定。
[2021.3.10訂正]
タイトルを修正した。
【参照ページ】After steep drop in early 2020, global carbon dioxide emissions have rebounded strongly
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