丸紅は2月17日、北米最大手バッテリー・リサイクル事業者Retriev Technologiesと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。リチウムイオン電池から、コバルトやニッケルを精製し、電池材料分野向けにリサイクルする事業を共同開発する。
Retriev Technologiesは、1992年創業で、米オハイオ州に本社を、オハイオ州とカリフォルニア州にリサイクル工場を持つ。同社は、民生用電池やEVバッテリーを回収し、破砕や分離の処理を施し、有価金属を回収・販売している。一方、丸紅は、1985年にザンビアのコバルト生産者の対日向け独占販売権を取得してから、電池材料分野の原料トレーディングに携わっている。
Retriev Technologiesと丸紅は、化学メーカーとも協力しつつ、リサクル素材から、バッテリーの原料となる硫酸塩、前駆体、正極材の製造を狙う。バッテリーのサーキュラーエコノミー化の動きに事業機会を見出した。
また、丸紅は2月8日には、オランダのサーキュライズとの間で、同社が開発するトレーサビリティ管理プラットフォームを日本およびアジアの化学品市場向けに展開することを目的とした業務提携契約を締結。実証実験を進めた上で、合弁会社設立を視野に入れることも発表した。
サーキュライズは、ブロックチェーン技術と、暗号学上の「ゼロ知識証明」手法を活用し、データ・トレーサビリティ技術「Smart Questioning」を開発。製品の設計・仕様、加工条件、リサイクル履歴等のトレーサビリティ関連情報や、カーボンフットプリント、リサイクル比率等の資源効率を示すデータ、原材料の第三者認証情報等の環境対応指標を管理できる。2020年9月には、EU欧州委員会から「EU Horizon 2020」の対象企業に選出されている。
【参照ページ】リチウムイオン電池の循環型ビジネス構築に係わる戦略的パートナーシップ契約締結について
【参照ページ】オランダ・サーキュライズ社との業務提携について
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