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【国際】WHO委員会、ワクチン接種を海外渡航の条件にしないよう勧告。感染抑制効果が不確か

 世界保健機関(WHO)は1月14日、第6回新型コロナウイルス・パンデミックに関するIHR(国際保健規則)緊急委員会を開催し、WHO事務局への勧告内容をまとめた。その中で、ワクチンの感染抑制効果が極めて不確であり、ワクチンへのアクセスも限定的なため、ワクチン接種証明を海外渡航の条件として設定しないよう勧告した。

 今回の勧告声明では、新型コロナウイルスの変異種、ワクチンと海外渡航、科学的な対応戦略等について議論し、WHOとしての推奨アクションをまとめた。その中で、ワクチンについては、まず、ワクチンの感染抑制効果に関する研究を加速させると同時に、COVAXを通じたワクチンの公平な分配、中進国や後進国でのワクチン生産の加速、各国でのワクチン接種体制の構築支援等を掲げた。

 しかし、海外渡航とワクチンの関係では、各国政府に対し、ワクチン接種を理由に海外渡航の規制を緩和するようなことがないよう釘を指した。ワクチンについては効果検証が不十分であり、ワクチン接種がまだ進んでいないことから、海外渡航の条件として「ワクチン接種」を盛り込まないよう勧告。同時に、ワクチン接種を理由に、海外渡航上の他の感染リスク緩和策を免除しないよう伝えた。また、海外渡航上の基準やガイダンスについては、WHOが作成を主導すべきとした。

 またワクチンメーカーに対しても、安全性や有効性に関するデータをWHOに迅速に送るよう伝えた。WHOからワクチン開発の支援を受けているメーカーは、WHOに対し、データを共有することとなっている。

 他にも変異種に関しては、科学的な定義や体系化を行うことで、社会や政治の過敏反応を予防するとともに、ウイルスの変異の研究やリスクモニタリングを強化するようWHOに勧告。各国政府にも分子診断や遺伝子配列テストの増やしながらWHOにデータを共有し、国際協調を重視すべきとした。

 WHOは1月15日にも、130ヶ国からの科学者合計2,800人以上を招集したオンライン会議を開催。ワクチンをテーマに話し合った。その結果、世界の異なる人口に対し有効なワクチンを整備するためには、ワクチン側も数多くの種を用意すべきという意見で一致。WHOを中心にデータを集約し、国際的に科学者が協調していながら、研究を促進することを提言した。

【参照ページ】Emergency Committee on COVID-19 advises on variants, vaccines
【参照ページ】Statement on the sixth meeting of the International Health Regulations (2005) Emergency Committee regarding the coronavirus disease (COVID-19) pandemic
【参照ページ】Scientists tackle vaccine safety, efficacy and access at global R&D forum

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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