世界保健機関(WHO)のマイケル・ライアン健康緊急プログラム・エグゼクティブ・ディレクターは7月23日、新型コロナウイルス・パンデミックのワクチン開発について、順調に進捗しているものの、使用開始は2021年前半以降になるとの見方を示した。
目下、WHOのプログラムにより、世界中のワクチン開発の状況は、WHOが情報を集約している状況にある。今回、ライアン氏は、ワクチン候補がフェーズ3の臨床試験を実施しており、まだ失敗事例は出ていないが、ワクチン開発完成までにはまだ時間がかかるという。
WHOは、ワクチンがユニバーサル・グッズとなるよう、世界中の人々に届けられるよう調整を続けていることも明らにした。一方、世界中で感染者数の増加速度が早まる傾向にあることに大きな警戒感を示した。学校については、地域での感染が収まるまで、学校再開を慎重に進めるべきとの考えを伝えた。
医学誌ランセットは7月20日、オックスフォード大学とアストラゼネカが開発中のワクチン「ChAdOx1 nCoV-19」について、フェーズ1/2臨床試験の結果、有効性が確認されたことを発表した。現在、同チームは、英国、ブラジル、南アフリカで、フェーズ3臨床試験を実施している。
ランセットは同日、中国江蘇省疾病予防抑制センターが率いるチームが開発中のワクチンも、フェーズ2の臨床試験で有効性が確認されたと発表した。今後フェーズ3の臨床試験に進む。
現在、フェーズ3の臨床試験に進んでいるワクチン候補は、この2つ。他にも21のワクチン候補が、WHOが把握している中でワクチン開発が進められている。
【参照ページ】Safety and immunogenicity of the ChAdOx1 nCoV-19 vaccine against SARS-CoV-2: a preliminary report of a phase 1/2, single-blind, randomised controlled trial
【参照ページ】Immunogenicity and safety of a recombinant adenovirus type-5-vectored COVID-19 vaccine in healthy adults aged 18 years or older: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial
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