製薬世界大手スイスのノバルティスは7月16日、同社ジェネリック医薬品子会社サンドを通じ、低・中所得国を対象に、新型コロナウイルス感染症の症状に対処する治療薬15種の非営利提供を行うと発表した。基礎的治療薬の非営利・安価販売は今回が世界初。ノバルティスは、「医薬品アクセス(ATM)のため」と説明した。
今回非営利提供されるのは、胃腸疾患、急性呼吸器症候群、肺炎、敗血症性ショック等の治療薬として使われているアモキシシリン、セフトリアキソン、クラリスロマイシン、コルヒチン、デキサメタゾン、ドブタミン、フルコナゾール、ヘパリン、レボフロキサシン、ロペラミド、パントプラゾール、プレドニゾン、プレドニゾロン、サルブタモール、サルブタモールの15種。全てジェネリック医薬品もしくは市販薬。
同プログラムの対象は、世界銀行の所得グループで「低所得国(LICs)」または「低中所得国(LMICs)」に分類された79カ国の政府、NGO、関係機関。対象者は、自国の医療需要に応じ、治療薬を選択できる。
ノバルティスは、すでに新型コロナウイルス対策基金を通じ、世界50カ国で、医療機関従事者や地域コミュニティを支援するプロジェクトを展開。新型コロナウイルス・パンデミック対策支援として4,000万米ドル(約43億円)の寄付も行った。
さらに同社は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やマスターカード、Wellcomeら設立のイニシアチブ「COVID-19 Therapeutics Accelerator」への加盟や、革新的医薬品イニシアティブ(IMI)との直接パートナシップの締結等も実施。バイオテクノロジーAveXisと協働し、米マサチューセッツ州専門病院「Massachusetts Eye and Ear」や同州一般病院と、新型コロナウイルスワクチン「AAVCOVID」の製造にも合意した。
同社は、主要な非感染性疾患(生活習慣病)への治療薬を発展途上国に安価に販売する「Novartis Access」プログラムを展開しているが、今回は同プログラムのチャネルの他、ノバルティス及びサンドの現地法人も窓口となる。
【参照ページ】Novartis launches first-of-its-kind not-for-profit portfolio of medicines for symptomatic treatment of COVID-19
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら