EUの二酸化炭素排出量取引制度(EU-ETS)の炭素市場取引価格が7月13日、14年ぶりの高値を付け、排出量1t当たり30ユーロ(約3,700円)を上回った。炭素価格は、EU-ETS制度の改正の影響も受けながら、2017年後半から急速に高騰している。
ここ最近の推移では、新型コロナウイルス・パンデミックによるエネルギー需要の減衰では、火力発電の稼働率が低下し、炭素価格が減少。一時、15ユーロ当たりまで下落した。しかしEUが欧州グリーンディール政策を掲げ、グリーンリカバリーを目指すと、気候変動規制が強まるとの観測が高まり、相場の上げ予想が生まれた。その結果、投資家が排出量に対し投資したため、価格が高騰したとみられている。
市場の観測では、企業が大量に排出量を売りに出した場合や、再びロックダウン等で経済の冷え込みムードになると、価格は下落する。また、価格のボラティリティが上昇していることそのものへの懸念も出ており、欧州委員会は、制度上の権限を行使し、市場の余剰排出量の買いオペをやる可能性も高まっているという。
炭素価格が高止まりもしくはさらに上がるようなことがあれば、石炭火力発電やガス火力発電にとってはますます逆風となる。
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