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【国際】医薬品アクセス財団、新型コロナでHIV・マラリア・結核治療の遅延に警鐘。死者数増加の予測

 国際医薬品アクセス向上NGOの医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)は6月9日、小児HIV・マラリア・結核対策進捗レポートを発表。新型コロナウイルス・パンデミックに伴う医療崩壊で、小児HIV・マラリア・結核治療への取り組みに遅れが生じていると指摘した。

 HIV・マラリア・結核は、特に低・中所得国において子どもの感染リスクが高い三大感染症。これまで長きに渡り、国際的な取り組みがなされてきたため、東西アフリカにおけるHIV母子感染は、2010年以来半減しており、マラリアによる死者数も約30%減少した。しかし、依然として年間50万人の児童が同感染症により死亡しており、その多くは5才未満。

 今回のパンデミックによる医療崩壊で、2020年にサブサハラにおけるマラリアの死者数は、2018年比で2倍になると予測。結核による死者数は今後5年間で140万人以上増加し、HIV感染者数はモザンビークで37%、ウガンダで104%増加する見通し。

 HIV・マラリア・結核の治療薬は、多くの場合、児童が服用を苦手とする錠剤や、苦味のあるシロップ。服用が困難なことから、大人用の治療薬を砕いて飲ませる場合もあり、十分な効能を得ることができないばかりか、薬剤耐性ができてしまい、治療が長期化してしまっている。これは医薬品としての課題であるものの、小児治療薬の市場は小さく、医薬品メーカーにとって投資の魅力が大きくない。

 HIVについては近年、薬剤耐性による弊害が増加しており、2人に1人が一般的なエイズ治療薬への耐性を持ってしまっているという。一方、子どもにやさしいエイズ治療薬市場は縮小傾向にあり、医薬品メーカーにとっての魅力は失われているとした。マラリアについては、5歳以下の感染リスクが最も高く、最適でない治療薬により薬剤耐性がついてしまう点を課題視。子ども向けの高品質な抗マラリア剤の迅速な開発が必要だとした。結核については、多剤耐性結核菌(MDR-TB)の小児患者治療への注力を求めた。

【参照ページ】Progress against HIV, malaria and TB is under threat, putting children at risk. Here’s what is needed.

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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