アパレル労働NGO世界大手蘭Clean Clothes Campaign(CCC)は9月9日、人権分野での第三者監査機関が機能不全に陥っていると批判するレポートを発表した。CCCは、1989年にオランダで設立された世界最大のアパレル労働NGO。欧州15ヶ国に支部を持ち、250以上の団体とパートナーシップを締結している。
サプライチェーンの人権監査については昨今、企業が自主的に取り組むようになってきており、外部の第三者評価機関会社に人権監査を委託するケースも多い。CCCは今回、第三者監査の透明性が非常に乏しいと批判。結果として多くの人権侵害が野放しになっているとともに、第三者監査を企業にうたわせることで、人権侵害を暴くことが妨げられているとし、現状がネガティブに働いていると主張した。
今回名指しで批判されたのは、ビューローベリタス、SGS、UL、ELEVATE、RINA、ALGI、TÜV Rheinlandの7社。また、人権スタンダード策定機関であるSocial Accountability International(SAI)、WRAP、FLA、公正労働協会(FLA)、AMFORI BSCIの5団体のスタンダード内容も分析した。
同レポートは、人権監査機関の透明性を高めるため、監査報告書の公表や政府当局への提出、監査時に労働組合や幅広い労働者からのインタビュー実施等が必要と提言した。
国際人権NGOビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)は、今回名指しで批判された7社に対し、回答を要請。結果、ALGIとRINA、ELEVATEの3社は10月1日までに回答した。ELEVATEとALGIは、レポートで取り上げられた事案について、監査実施内容をあらためて紹介し理解を訴えつつ、監査の進化が必要となっていることは同意した。一方RINAは、レポートで分析された同社の内容は、誤りと間違った推論が多いと退けた。その他の4社は回答しなかった。
【参照ページ】“We go as far as brands want us to go”
【参照ページ】Social audit industry criticised for protecting brands' reputations while failing to protect garment worker safety & improve working conditions; Includes auditing company responses
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