国際錫協会(ITA)と、電子機器業界サステナビリティ推進機関RBA(責任ある企業同盟、旧EICC)の紛争鉱物フリー推進イニシアチブ「責任ある鉱物イニシアチブ(RMI、旧CFSI)」は4月16日、サプライチェーン全体を通じて錫のサステナビリティ調達を推進することで協力する覚書を交わした。RBAには電子機器世界大手企業が数多く署名しており、ITAには錫生産企業が加盟している。両社の加盟により、錫の生産者と需要家が強調することとなった。
スズは、米ドッド=フランク法により、紛争鉱物と位置づけられて以来、メーカーでの管理が強化されてきており、その立役者となったのがRMI。RMIは、生産者や精錬事業者のリストを作り、紛争鉱物フリーのサプライチェーンを実現するためのチェックリストとツールを提供してきた。今や、部品にスズを使う電子機器メーカーにとってRMIのツールは不可欠となっている。
今回の覚書では、両者は、法令遵守や責任あるサプライチェーンをサプライチェーンのあらゆるレベルで実現するため、ジョイント・タスクフォースの設立することを決めた。
また、スズ精錬事業者向けの監査基準も協働で作成する計画。スズ精錬の監査では、RMIは「責任ある企業行動に関するOECDデューデリジェンス・ガイダンス」に準拠した監査基準を策定してきた。今回新たにEU鉱物サプライチェーン・デューデリジェンス規則が、OECDの同ガイダンスを活用することになり、ITAとRMIがアセスメント基準を共同で策定する。完成は2019年後半を予定。策定したアセスメント基準は、RMIの責任ある鉱物保証プロセス(Responsible Minerals Assurance Process:RMAP)と、ITAのスズ生産者向け行動規範にも準拠したものにする。
【参考】【EU】欧州委、EU理事会、欧州議会。紛争鉱物規制のためEU法整備で合意(2016年12月8日)
【参考】【国際】RMI(旧CFSI)、紛争鉱物報告テンプレートを更新。CMRT5.11公開(2018年4月28日)
【参照ページ】Industry leaders sign MoU on responsible tin sourcing
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら