カンボジアで労働組合リーダー6人が禁固刑執行猶予判決を受けた事案で、NGO95団体は12月25日、有罪判決を非難する共同声明を発表した。また別件での土地収用による市民の強制移住問題では、EUが12月27日に懸念を表明した。カンボジアでは、労働や土地収用に関する人権問題が多く発生している。
労働組合リーダー6人は、2013年に最低賃金に関する労働運動を主導。これに対し当局は、暴行罪、器物破損罪、脅迫罪、往来妨害罪に関連する4つの罪で起訴していたが、最終的に全て煽動罪を問う刑事裁判となった。プノンペンの一審裁判所は12月11日、6人はそれぞれ懲役2年半と犠牲者2に対する給与損賠賠償3,500万リエル(約96万円)の判決を言い渡した。
これに対しNGOの共同声明は、6人の行為は正当な労働運動行為であり、有罪判決は無効と主張。政府に対し、カンボジア人の結社の自由と、労働組合が組合員の利益のために活動する権利を保障するよう要求した。被告人側もすでに12月18日、控訴した。
12月27日には、駐カンボジアEU大使館は、土地騒動は重大な案件であり、一貫した透明性の高い解決と相応の補償をカンボジア政府に促した。人権侵害や労働権侵害が多発しているカンボジアに対し、EUは2018年3月、武器以外の全品目で数量制限なしにEU域内への輸入関税を撤廃する「EBA制度」の停止を公式に検討し始めている。
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