オランダの年金基金、保険会社、運用会社等が加盟する業界団体Eumedionは9月18日、オランダ版スチュワードシップ・コードの原案を公表した。Eumedionは、2011年に機関投資家のスチュワードシップを強化する事例集「Best Practices for Engaged Share-Ownership」を発表していたが、さらに推進するためスチュワードシップ・コードの制定に踏み切った。11月中旬までパブリックコメントを受け付け、12月に最終版を発表する予定。
Eumedionは、機関投資家のコーポレート・ガバナンスやサステナビリティ向上をミッションとしており、現在、オランダ内外の機関投資家65団体が加盟している。中心は年金基金や保険会社など長期投資を実施する機関投資家で、運用資産総額は5兆ユーロ(約670兆円)以上。
発表された原案は、前文と11の原則で構成され、原則毎の補助ガイダンスも設けられている。原則2では、社会や環境に対するインパクトも、アセットオーナーと運用会社のスチュワードシップに含まれると明記。投資先企業へのエンゲージメントや、企業の他のステークホルダーとの対話についても盛り込まれている。
Eumedionが同コードの制定を行う背景には、機関投資家のサステナビリティに関する取組が、EU指令「Shareholder Engagement Directive」の中で2019年6月に義務化されることがあり、スチュワードシップに関する内容もそれに含まれている。Eumedionは、これを機に業界としてスチュワードシップ・コードを制定し、業界団体の共通アクションを促していく考えだ。
制定作業が予定通り進めば、同コードは2018年1月1日に発効し、オランダの全てのアセットオーナーと運用会社は2019年6月10日以降「Apply or Explain」原則に基づく報告を行う義務が発生する。
【参照ページ】institutional investors establish the first edition of a Dutch Stewardship Code
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